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冬木市にやってきたアルトリアズのお話
休日の朝
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その目は、俺を憎む目ではなく、ギルガメッシュに奉仕する目でもなく、ただ一料理人としての目だった。
 
アーチャー「別に、英雄王の舌を巻かせても構わんのだろう?」
 
士郎「…ああ、本気見せてやれ、アーチャー」
 
心得た、と言いアーチャーはエプロンを身につけ料理を開始する。
 
行くぞ、英雄王。
 
宝物庫の俺達に渡す金の貯蓄は充分か。
 
 
…………………………
 
 
そうして意外も意外、結局俺とアーチャーの飯、アルトリアズの健気な奉仕によって機嫌が良くなった英雄王は向こう一年分の食費、及びアルトリアズにかかる費用は向こうで出してくれることを了承した。
 
金額自体は聞いたら失神しそうなので聞くのはやめておいた。
 
飯は世界を変えるということを、俺はこの場でよく知った。
 
因みにアーチャー、遠坂、ランサーは遠坂家へと帰って行った。
 
ランサーに関しては今は帰る家がないとの事で、暫く遠坂家に居候することにしたそうだ。
 
大丈夫だ嬢ちゃん、金はバイトして払うし手は出したりしねぇよ!
 
そう言って土下座していたランサーは元敵ながら見るに堪えなかった。
 
洗面所で顔を洗い終えた俺は台所に立ち、エプロンを着け腕を捲る。
 
士郎「俺としては初めての大人数の飯作りだ。腕がなる」
 
そう言って俺はまな板、包丁、鍋といった調理器具を取り出し山のような朝食を作り始めたのだった。
 
士郎「大人数すぎるからな、簡単に作れる、量もかさばるものにするか」
 
今日のメニューは冷凍しておいたごはんを使ったお茶漬け、藤ねぇが昨日貰ってきた卵たちを使った具材入り卵焼きにしようと思う。
 
まず大量のご飯をレンジで温めておく。
 
その間に出し汁を作る。
 
昨晩からつけておいた昆布を水に入れ中火で火にかけ、沸騰する直前に昆布を取り除く。
 
1度火を止めて水を足した出し汁に鰹節を入れる。
 
ひと煮立ちする前くらいまでアクを取りつつ弱火で加熱して鰹節が沈み始めたら布巾などでこす。
 
こした出汁を鍋に戻してから醤油、塩、みりんで味を付け足す。
 
正直、これが一番のミソになる。
 
その他には味で遊ぶ要素はないので、お茶漬けは汁が全体の7~8割を握っていると思っている。
 
その他で遊ぶには食感や+?α程度なので、勝負を決めるならここくらいしかない。
 
出汁をとっている間に具材入り卵焼きのための具を用意する
 
大葉、ツナ缶、キャベツ、ハム、紅しょうが、あおさ、シラス、三つ葉などを用意し、洗うものは洗い、切るものは切り、葉っぱ類はサッとゆで水気は切っておく。
 
みじん切りにした具材、卵、白だし、砂糖を入れかき混ぜ、油を引いたフライパンで
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