第二章
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スウェーデン王の宮廷で詩を披露して王や王妃、他の者達からも賛辞を受けた。そしてここで一人の赤い見事な髪の毛に緑の瞳そして白い肌を持つ自分程ではないが長身で見事な体格の青年からも拍手を受けた。
「見事な詩だったよ」
「そう言ってくれるか」
「これだけの詩はそうそう聞けない」
「私の詩をそう言うとは」
グンラウグはすぐに察して青年に言った。
「君も詩人か」
「如何にも。フラヴンという」
青年はグンラウグに笑顔で名乗った。
「生まれはアイスランドだ、今は詩そして武芸の鍛錬の為にだ」
「アイスランドを出てか」
「そのうえで旅をしている」
「それでここにいるのか」
「そうだ、そこは君と同じだな」
「そう言ってくれるか」
「ここで知り合ったのも何かの縁、色々と話をしようか」
こうグンラウグに誘いをかけた。
「そうしようか」
「それでは」
グンラウグも応えた、そうしてだった。
二人は友情を結び共にスウェーデンにいる間は詩を謡い賊達と戦い酒を楽しんだ。そうしている中でだった。
グンラウグはスウェーデンを離れカレリアの方に向かうことにした、それも修行の為だった。そして宮廷を後にする時にフラヴンに言われた。
「私はこれから祖国に戻る」
「アイスランドにか」
「そうする、そしてだ」
そのアイスランドでというのだ。
「よき人がいればな」
「その人をか」
「妻に迎えたい」
「そうか、私はもう少しな」
「修行を続けるか」
「そうしてからだ」
「そういえばアイスランドに想い人がいると言っていたな」
フラヴンはその話をグンラウグから聞いていた、だがそれでもその相手の名前はグンラウグから聞いていなかった。
それでだ、こう言ったのだった。
「その人と結ばれるといいな」
「そうなる様にしている」
「だからカレリアにもだな」
「行って己を高めてくる」
「そうか、ではアイスランドでな」
「また会えたらな」
「その時は共に飲もう」
こう話してそうしてだった。
グンラウグは一人カレリアに向かいフラヴンはアイスランドに戻った、グンラウグはカレリアでも謡い戦った。そうしてだった。
カレリアからアイスランドに船で戻った、彼はアイスランドに着くとすぐにヘルガのところに向かった。
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