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オコジョガール
第七章
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「お前礼儀正しいな」
「そうですか?」
「ああ、まだ若いのにな」
 それでもというのだ。
「しっかりしてるな」
「そうですか」
「元気もいいしな」
 このことは持ち前のことだった。
「見どころあるな」
「それで、ですね」
「これからも頑張っていけよ」
「そうさせてもらいます」
「こっちこそな」
 こう職場の先輩に声をかけられた、そしてだった。
 この先輩とやがて付き合うことになり結婚も決まった、それで真花は高校時代からの友人達に対して話した。
「礼儀正しいってね」
「そういう風になの」
「言われてなの」
「それでなの」
「そうなの、少なくともガサツとはね」
 その様にはというのだ。
「言われてないから」
「結婚する人に」
「そうなの」
「言われてないの」
「そうなの、高校時代と違って」
 その頃はというのだ。
「元気がいいっては言われるけれどね」
「それはまたね」
「随分とね」
「変わったのね」
「ええ、礼儀正しくて」
 実際に職場ではこう言われている。
「元気がいいって」
「そうなのね」
「そう言われてるのね」
「職場だと」
「ええ、お家の中でもね」
 そこでもというのだ。
「礼儀正しくなったって」
「お行儀がどうかじゃなくて」
「礼儀作法なのね」
「それがよくなったっていうのね」
「学生時代本当にね」
 実際にというのだ。
「ガサツだけだったけれど」
「あの時茶道して」
「マナーやエチケットの本も読んで」
「そういうの勉強して」
「結局お行儀はよくならなかったけれど」
 それでもというのだ。
「いや、本当にね」
「礼儀作法は身に着けて」
「それがいいって言われて」
「ご主人にもなのね」
「褒められて」
 そしてというのだ。
「一緒になったの」
「そうなのね」
「それは何よりね」
「本当に」
「ええ、オコジョのままでも」
 それでもというのだ。
「礼儀作法がよかったら」
「それでよし」
「そういうことね」
「ガサツでも」
「そのガサツさもよくなってるでしょ」
 真花はこうも言った、今彼女は友人達と共にカレー屋でカレーを食べながら話している。真花はカツカレーを食べつつ友人達に尋ねた。
「そうでしょ」
「まあね」
「高校時代は頬っぺたにご飯粒付いてたけれど」
「それもなくなったし」
「ましになったわ、だからオコジョでもね」
 ガサツでもというのだ。
「やるだけやってみるべきよ」
「多少でもよくなるし」
「他のいいものも備わったりするから」
「やってみることね」
「そういうことだと思うわ、じゃあ式の時またね」
 笑顔でだ、真花は友人達に話してだった。
 右手のスプーンでカレーを食べた、その動きはお世辞に
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