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オコジョガール
第一章

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               オコジョガール
 中西真花は少し見ただけではごく普通の高校生である。
 黒髪をボブにして左で七三にしていて左の耳だけを見せている。
 黒くて先が少し下がっている眉に小さめで奥二重の目に形のいい鼻そしてピンク色の大きめの唇から白い歯が見えている。背は高く一六七程ある。
 外見は可愛く通っている高校のグレーのブレザーと黒のミニスカート、青のリボンと白のブラウスのそれもよく似合っている。部活はソフトボール部でセンターとして活躍している。だがそれでもだった。
 友達はもてないが彼氏はいない、それが何故か真花自身気にしていてそれで体育の授業中にクラスの友人達に話した。体操服は上は白で下は赤の半ズボンだ。
 真花はその姿でこう言った。
「私どうしたら彼氏出来るかしら」
「いや、そこで言う?」
「そんなこと言う?」
「今更」
「そんなこと言う?」
「いや、だってね」
 授業はバスケだ、その休憩時間に話をしているのだ。
「私年齢イコール彼氏いない歴だから」
「そろそろっていうのね」
「彼氏欲しい」
「けれどどうしても彼氏出来ない」
「だからここでこう言うのね」
「そう、どうしてかしら」
 首を傾げさせて言うのだった。
「私彼氏いないのかしら」
「いや、普通にね」
「そんなの当然でしょ」
「あんたが彼氏いないって」
「それはね」
「いや、どうして当然なのよ」
 真花は友人達の言葉に眉を顰めさせて問い返した、体育館の中でその壁に背を当てて友人達と話している。
「私に彼氏いないって」
「だってね」
「あんたガサツだもん」
「何してもね」
「だからよ」
「例えばよ」
 ここで茶髪のショートヘアの娘が言ってきた。
「あんたさっきシュートの時よ」
「その時?」
「そう、その時よ」
 まさにというのだ。
「野球のオーバースローでシュートしたでしょ」
「入ったわね」
「そんなシュートしないから」 
 普通はというのだ。
「バスケだと」
「入ったらいいでしょ」
「だからそこで入ったらっていうのがね」
 まさにというのだ。
「ガサツなのよ」
「そうなの」
「それもかなりね」
「お料理だって」
 今度はツインテールで小柄な娘が言ってきた。
「あんたこの前の肉じゃがのジャガイモとか人参の切り方とか」
「駄目だったっていうの」
「調味料の入れ方もどばっ、で」
 豪快に入れたというのだ。
「目分量で」
「けれど美味しかったでしょ」
「味はね、けれど女の子の味付けじゃないわよ」
 女子高生のそれではないというのだ。
「あれは」
「男の味とか?」
「そうよ、完全にね」
「しかもいつも凄く食べるし」
 髪の毛を金髪にしたスタイルのいいい娘も言ってきた。
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