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恋人はラガーマン
第二章

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「やっぱり人間外見よりも性格よ」
「出たわね、正論」
「それはその通りだけれどね」
「幾らお顔よくても悪人だと駄目だしね」
「それじゃあね」
「紳士だし。ラグビーは紳士のスポーツだからって言って」
 これはラグビー発祥の国イギリスで言われていることだ、サッカーは大衆が楽しみラグビーは上流階級が楽しむものともされている。
「それでね」
「紳士でもあるのね」
「物凄く怖そうだけれど」
「ヤクザ屋さんと結婚しても勝てそうなのに」
「確かにパワーも凄いけれど」
 このことも事実だというのだ。
「けれどね」
「いい人なのね」
「紳士で喧嘩もしない」
「そうした人なの」
「そうよ、だからね」
 美来は友人達にさらに話した。
「私あの人と交際出来て幸せよ」
「まあ美来ちゃんがそう言うならね」
「それならいいけれどね」
「私達は所詮外野だし」
「美来ちゃんがそう言うなら」
 それならとだ、友人達も言うことだった。それで結局彼女達もそれならとなった。そして美来もだった。
 部活が終わって学校から帰る時にだった、校門で待っているスーツ姿の二メートル近い大男のところに来て言った。
「今日も有り難うございます」
「当然のことだから」
 大男は美来に顔を向けて笑顔で言った。
「だからね」
「いいんですか」
「そうだよ」
 こう言うのだった。
「だって交際相手を護ることはね」
「当然のことですね」
「そう、人としてね」
 岩の様な顔での言葉だった、唇は暑く明太子の様だ。髪の毛は短く刈っている。
「だからね」
「そうですが、ですが」
 美来はその彼に言った、彼の名を磯崎淳之介という。何でも父親が吉行淳之介が好きでこの名前にになったという。八条大学工学部一回性であり高校時ぢあからラグビ^−をしている。美来とは合コンで知り合ってからの交際だ。
 その磯崎にだ、美来は彼の横から笑って話した。
「それはです」
「そうそうだね」
「してくれる人いないですよ」
 こう言うのだった。
「本当に」
「そうかな」
「そうですよ、ですから」
 美来は笑顔のまま彼に言った。
「嬉しいんですよ」
「そうなんだね、じゃあね」
「今日もですね」
「家まで送らせてもらうよ」
「それでそれからですね」
「僕も家に戻るから」
 自宅にというのだ、尚彼の家は大阪の一等地で貸しビルをしていて結構以上に収入もある。家は大阪なのだ。
「電車でね」
「そうですね、ただ」
「ただ?」
「帰り道遠いのに」
 それで家まで送ってくれることはというのだ。
「悪いです」
「だからそれは当然のことだからね」
「言わなくていいですか」
「そう、じゃあ帰ろうね」 
 こう話してだった、そのうえで。
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