第五章
[8]前話
「絶対に戦になるけれどその前に多分呉の王様のところに美人を送ってあちらの王様を骨抜きにして贅沢をさせて呉を弱めるから」
「その送り込む美人になの」
「私がされるかも知れないから」
だからだというのだ。
「もうね」
「行かないのね」
「そんな大きな仕事受けたら少しでも失敗したら呉に殺されるし成功しても」
呉を弱めてもというのだ。
「一国を滅ぼした様な人が越に戻ったら」
「今度は越を滅ぼすと思って」
「殺されるから」
「だからなのね」
「名乗り出ないわ」
「そうするのね」
「ええ、金の靴はまた骨が出してくれるかも知れないけれど」
それでもというのだ。
「命はそうはいかないから」
「靴を諦めるのね」
「そうするわ」
こう言ってだった、葉限は実際に名乗り出なかった。そうしてだった。
金の靴の主はわからず終いとなって越王は呉に送る美女を探しに探してその結果西施という女を選んだ、そして西施は越に送られて帰ってこなかった。
そのことを見届けてからだ、葉限は姉に話した。
「金の靴は惜しくても」
「命には代えられない」
「そういうことだから」
これでいいと言うのだった、こうして葉限は難を逃れた。やがて骨がまた金の靴をだしてくれて他にも多くの富を葉限だけでなく華限にも出した。
継母は流行り病で死に姉妹はそれぞれ父がよい相手を選んで婿に迎え姉妹は骨が出してくれた財産もあって幸せに仲良く過ごしたという。賢さ故に魚を得て失いそこから靴を得て失ったが葉限は命を拾い夫を得た、華限はその優しさ故に財産も得られ幸せも得た、中国に古くから伝わる話である。
葉限の魚 完
2019・2・6
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