第三章
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「それで骨になってもだよ」
「喋れるの」
「そうなの」
「食べられた時は油断したけれど実はやがて仙人になる身でね、実は生きていた時も喋られたけれど秘密にしていたんだ」
「じゃあ今は骨でも」
「やがては」
「近いうちに仙人になるよ」
実際にというのだ。
「そうなるよ」
「そうなの」
「道理でどんどん大きくなった筈ね」
「そうさ、それでだけれど」
骨は姉妹に自分のことを話してからさらに話した。
「何か欲しいものがあったら僕に祈ればいいよ」
「そうすればどうなるの?」
「一体」
「君達の欲しいものが何でも手に入るよ」
祈ればというのだ、そう聞いてだった。
華限はそう聞いて葉限に優しい声で話した。
「私は今で充分だから」
「私がなの」
「祈れば何でも手に入るなら」
それならというのだ。
「貴女はそれでお母様からの難を逃れられるから」
「だからなの」
「ええ、貴女が使って」
こう妹に言うのだった。
「いいわね」
「姉さんがそこまで言うのなら」
葉限も頷いてだ、そうしてだった。
骨は葉限が大事に持ってそのうえでいざという時は祈ろうと思った、そんな時に節句の日が来て呉洞の屋敷がある村でもだった。
祭りが開かれて継母は自分の娘である華限は祭りに連れて行くとしたが葉限には使用人達の門番達と共に留守番を命じた、だが華限は家を出る時に妹にそっと囁いた。
「今こそよ」
「骨を使う時ね」
「ええ、だからね」
「わかったわ、じゃああの骨にお祈りしてね」
「貴女も祭りに来て」
「そうするわ」
葉限は姉の言葉に頷いてだ、彼女と継母が祭りに出てからだ。
そっと自分の部屋に入ってそこで骨に祈るとだった。
骨は葉限と同じ姿形で服を着た人形を出して彼女に言った。
「まずはこれを部屋の中に置いてだ」
「私がいる様に見せるのね」
「使用人で残った人達に。そして」
骨はまた何か出した、今度出したものは。
奇麗な服と金の靴だった、その二つを出してそれから葉限に話した。
「祭りにはそれを着て行くといいよ」
「ええ、それじゃあ」
「楽しんでくるんだよ」
こう言ってだ、骨は葉限を送り出した、こうして葉限は着飾って祭りに出て一人だが満喫した。しかし。
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