第二章
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「それをこの場に出すなぞ」
「それはです」
「幾ら何でもです」
「おふざけが過ぎますぞ」
「ははは、昨夜だ」
公は彼等の驚き即座に諌める声に対して笑って返した。
「夏姫と夜を過ごしてな」
「夏殿の奥方とですか」
「そうされて」
「あの方の服をですか」
「ここで、ですか」
「こうして見せているのだ、昨夜は楽しかったぞ」
「いえいえ、明公よ」
ここで孔寧が笑って公に言ってきた。
「昼はですぞ」
「そなたであったか」
「昼の方がです」
「楽しかったというのか」
「左様でした」
「いやいや、それは違いますな」
今度は儀行父が言ってきた。
「朝早く夏家の邸に行きましたが」
「そこではか」
「はい、これ以上はないまでに愉しい時を過ごしたので」
「そなたがというのか」
「そうです、よかったですぞ」
「これでは誰が一番愉しんだかわからぬな」
公は政なぞ一切構うことなく述べた。
「昨日な」
「いえいえ、明公は服を貰ったのですぞ」
「我等も貰わねば」
「その為にはまた床を共にせねば」
「今日にでも」
孔寧も儀行父も笑って言うばかりだった、だが陳の多くの者はその様な彼等を見て危ういと確信した。
「これはまずいぞ」
「公はもう夏姫のことしか考えておられぬ」
「あの方との肉欲ばかりだ」
「そして孔寧殿も儀行父殿もだ」
「人妻であられる夏姫殿に溺れている」
「政は何もされておらぬ」
「その結果だ」
陳はどうなったかというと。
「他の国からの者には迎えも送らぬ」
「ただここに来て終わりだ」
「お三方が夏姫殿の為に設ける屋敷や台に銭や民が無駄に使われる」
「国も民も疲れるばかりだ」
「道も橋も放り捨てられ道は草に埋もれ橋は壊れてもそのままだ」
「国は荒れるだけだ」
「荒れてどうにもならなくなっている」
そうした状況になっていた、それであった。
公達を諌める者がいてもだった。
彼等は夏姫が床の中ではどうだったかを話す中でそうした者達について忌々し気にこう話すのだった。
「あの者は五月蠅いですな」
「全くですな」
「余計なことを言いまする」
「ではだな」
「はい、あの者に毒を盛り」
「黙ってもらいましょう」
こう言って暗殺していった、殺されたことは流石に彼等も言わなかったがそれは誰が見ても一目瞭然だった。
それでだ、陳の心ある者は次々に去り。
夏姫の子である夏徴舒に対して見かねて言う者達も出て来た。
「最早公も孔殿も儀殿も普通ではありませぬ」
「全く以てどうかしております」
「ここは夏姫殿のご子息である貴方次第です」
「貴方がどうかされればです」
「その時は我等も力を貸しますぞ」
「お気持ちはわかりますが」
それでもとだ、夏徴舒は彼等に
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