二十九 怒りの引き金
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、その刺された箇所から分離するかのように、身体が真っ二つに裂かれた。
否、ふたつの身体に別れたのだ。
「普通はその避け方はあり得ない…血継限界【双魔の攻】を持ち得るからこそ出来た技ね」
ふたりに別れることで致命傷を避けた左近と右近に、大蛇丸は余裕を崩さぬまま、静かに笑む。
そのまま何事もなかったかのように剣を振り落とした大蛇丸は、左近/右近とは全く別の物を切断した。
それが、左近が振り向き様に投げた煙玉だと気づいたのは、視界が煙に覆われた直後だった。
「大蛇丸様…!!」
煙の彼方からカブトの声がする。
瞬間、鬼童丸が最後の力を振り絞り、指先に結わえていた糸を外した。
すると、煙を切り裂き、大蛇丸目掛けてクナイが一斉に飛来してくる。
前以て森中に張り巡らせたクナイを、鬼童丸が一気に投擲したのだ。
煙玉だけでなく、クナイの怒涛の攻撃により巻き上がる砂煙。
煙に覆われた森。
視界がゼロになったその場を、遠目から確認していたヤマトの木分身は顔を顰めた。
大蛇丸とカブト、そして鬼童丸・左近/右近を監視する為に追い駆けてきたが、こうも視界が悪ければ監視どころではない。
煙が晴れるのを待ち構えていたヤマトは、オリジナルからの報告を受け、周囲を見渡した。
木分身はオリジナルと常にリンクしているため、リアルタイムで相互の情報のやり取りができるのだ。
上空で円を描く白い鳥。
【根】の一員であり、ダンゾウの部下であるサイを確認し、次いで、隣の木々を見る。
其処には、つい先ほどまで右近の衝突を受け、気絶していたナルの姿があった。
肩で大きく息をしている彼女は、煙の中を凝視している。
オリジナルであるヤマト本人から、ナルのことを聞いた木分身が声をかけようとしたその時。
煙が晴れた。
「あ…」
ひゅッ、と息を呑むナルの視線の先を追って、木分身は眼を大きく見開く。
(慎重過ぎるのも、考えものだったか…!)
大蛇丸の部下ではないか、と勘繰ったばかりに、すぐさま救助に向かわなかった己を悔やむヤマト。
彼と、ナルの視線の先には、倒れ伏す鬼童丸と右近/左近の姿があった。
「色々策を講じてきたようだけど、無駄な足掻きだったようねぇ…」
視界をゼロにしたところで、数多のクナイを集中砲火したところで、大蛇丸の前では無に帰す。
煙の中で、左近/右近・鬼童丸を瞬く間に沈めた大蛇丸に、カブトが進言する。
「大蛇丸様、止めは僕にさせてください。貴重な細胞サンプル
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