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レーヴァティン
第百二十六話 湖の征伐戦その十二

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「何があろうとな」
「では」
「越前と近江、伊勢だ」
 この三国の国境だというのだ。
「それぞれに今以上に城や砦をもうけ関所もだ」
「設けるでござるか」
「そうして敵が入らない様にしてな」
 そのうえでというのだ。
「東を守り」
「そのうえで政を行っていく」
「そして九州攻めもな」
 次の戦の時もとだ、英雄は智に話した。
「東を気にせずにだ」
「行える様に」
「東からの介入をさせない」
「その為にもでござるか」
「そうするからだ」 
 だからだというのだ。
「今のうちに東の備えをしておこう」
「そうするでござるか」
「そしてだ」
「九州攻めが終われば」
「次はな」
「その東でござるな」
「そこにだ」
 まさにというのだ。
「兵を進める」
「そうなるでござるな」
「無論九州もな」
 この地域もというのだ。
「手中に収めたならな」
「治めるでござるな」
「収めたならな」
 それならともだ、英雄は智にこうも話した。
「治めることだ」
「言葉は同じでござるな」
「同じだからだ」
 それ故にというのだ。
「収めたなら治める」
「そうするでござるか」
「そしてだ」
「九州もでござるな」
「俺の統治の下に組み込みな」
「今以上に豊かにするでござるな」
「そのつもりだ」
 まさにという返事だった。
「俺としてはな」
「そうでござるな」
「しかしだ」
「しかしとは」
「治めるのは先だ」
 このこと自体はというのだ。
「やはりな」
「まずは収めることでござるな」
「収めずして治めることは出来ない」
 英雄の今の言葉ははっきりしたものだった。
「だからだ」
「まずはでござるな」
「収める、そしてそのさらに前にな」
「治めるでござるな」
「四国と山陽、山陰をな」
 この三つの地域をというのだ。
「しかとしていく」
「さすれば」
「無事に治めていこう」
 こう言って英雄は腰を据えて新たに手に入れた諸地域の統治を進めていった、守りもしかと行いながら。


第百二十六話   完


                   2019・8・16
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