第百二十六話 湖の征伐戦その十一
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「また動く」
「動くことは決まっているのね」
「それが変わる筈がない」
到底というのだった。
「俺達はまずはこの浮島を統一する」
「そうしてその浮島の力で海の魔神を倒す」
「浮島の者達で編成した軍勢も使ってな」
自分達の力だけでなく、というのだ。
「そうするからな」
「だからよね」
「九州攻めもだ」
浮島統一の一環として、というのだ。
「必ず行う」
「戦略ってやつだね」
「そうだ、ではな」
それではとだ、英雄は今は政を進めていった。そして夜は楽しんでいた。
そうしつつだ、彼はこの夜相手にした側室の者達に言った。
「今宵もよかった」
「そうですか」
「楽しんで頂きましたか」
「そうして頂きましたか」
「俺は出陣の時は女は抱かない」
英雄は陣中に女は連れて行かない、そして今はそうした店に入ることもない。それならば当然のことだというのだ。
「だからな」
「今の様な時にですね」
「楽しまれるのですね」
「左様ですね」
「そうだ、俺は女だけだしな」
英雄はこうも言った。
「男は相手にしない」
「そういえばそうですね」
側室の一人が応えた。
「貴方様は女性はお好きですが」
「男はな」
こちらはというのだ。
「どうしてもな」
「趣味ではない」
「だからだ」
それ故にというのだ。
「それはない」
「だからですか」
「戦の時は誰も抱かない」
側室にはっきりと答えた。
「決してな」
「左様ですか」
「しかしだ、今は違う」
「この様にですね」
「楽しんでいる、やはり女はいい」
心の底から楽しんだ、そのことがわかる言葉だった。
「やはりな」
「それではですね」
「これからもですね」
「大坂におられる間は」
「楽しまれますか」
「夜は夜でな、そしてだ」
英雄は側室の者達にさらに話した。
「お前達の相手の次はな」
「その次はですね」
「ご正室様のところにですね」
「行かれますね」
「そうされますね」
「そうする」
決まっている、そのことを言うのだった。
「これからな」
「そうですか」
「それではですね」
「これからですね」
「今からですね」
「そうだ、ではな」
まさにと言ってだ、そうしてだった。
英雄は実際に今度はお静の間に入った、そこで彼女も抱いて彼女の傍で夜を過ごした。英雄は最後は必ず彼女と共に夜を過ごした。
夜は楽しみ朝と昼は政に励んだ、領内は今は魔物も少なくその分政を進めやすかった。だがその中で。
英雄は仲間達にこんなことを言った。
「東海と北陸だが」
「この二つの地域にでござるな」
「そうだ、今はどちらも穏やかだが」
それでもというのだ。
「穏やかな状況だからこそだ」
「今のうち
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