第十一幕その五
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「是非ね」
「その機会を逃さずに」
「海の旅に出るわ」
「そうするのね」
「今回の旅は本当に楽しかったからね」
久し振りに海の旅に出てというのです。
「またこうした旅をしたいから」
「だからよね」
「そうさせてもらうわ」
「それじゃあその時私が一緒だったら」
「一緒によね」
「楽しませてもらうわ」
トロットもというのです。
「是非ね」
「それじゃあね」
「それとね」
さらに言うトロットでした。
「貴女のお国だけれど」
「鶏の国ね」
「また数が増えたのよね」
「そうよ、だから国土もね」
鶏の国のそれもというのです。
「広くしたのよ」
「そうよね」
「それで畑もね」
「玉蜀黍とか麦とかね」
「広くしたわ、あとお米のね」
「田んぼもなのね」
「広くして」
そしてというのです。
「そうしていってるわ」
「それは何よりね」
「私の国は最初はね」
「貴女とご主人だけでね」
「二羽だけだったけれど」
それがというのです。
「今はね」
「沢山の鶏さん達が暮らしてるわね」
「皆私の子供で孫で」
「家族よね」
「そう、皆ね」
ビリーナはトロットに上機嫌でお話します、船の手すりの方から海を観ながらそのうえでそうしています。
「私から生まれたね」
「家族よ」
「だから余計によね」
「大事に思ってるわ」
「国民一人一人が家族ということもね」
「そうはないでしょ」
「ええ、オズの国でもね」
色々な国があるこの国でもというのです。
「本当にね」
「私の国だけね」
「そう思うわ、そのことも私の誇りよ」
まさにというのです。
「だから今回の旅から帰ったら」
「お国に戻るのね」
「それで政治もするわよ」
「貴女は女王でもあるからね」
「鶏の国のね。だから頑張るわよ」
「そうしてね、そして」
「機会があればね」
まさにとです、ビリーナはまた答えました。
「その時はね」
「海の旅に出るのね」
「そうするわ」
このことも決めています。
「是非ね」
「そうよね、貴女は」
「今回の旅も忘れられないものになったから」
それだけにというのです。
「またね」
「海の旅に出るわね」
「そうするわ、それとね」
「それと?」
「今ふと思ったけれど」
「というと」
「案山子さんや樵さんはどうしてるのかしら」
ビリーナはオズの国の名士の中でもとりわけ有名な人達のこの人達のことについて言及するのでした。その有名さたるやドロシーに匹敵します。
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