第十一幕その二
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「大陸とその周りの海全部だからね」
「それでヨルムンガルドの大きさもかなりなのに」
トロットはビリーナのその言葉に頷きました。
「それでもなのね」
「そう、神話のヨルムンガルドはだよ」
教授はトロットにもお話しました。
「さらにね」
「大きいのね」
「そうなんだよ」
「そして今から」
船長は皆に言いました。
「ヨルムンガルドのところに行こう」
「オズの国と外の世界の境に」
「そこにね」
こう言ってです、そのうえで。
船長は船を海の方にやりました、するとでした。
幾つかの島々を横目で見つつ海のある場所に着きました。すると海の中からでした。
島位はあろうかというとんでもない大きさの真っ黒な蛇の頭が出てきました、そして船に行ってきました。
「ここから先は行けないよ」
「うん、わかっているよ」
その蛇にです、船長は答えました。
「そのことはね」
「おや、船長さんじゃないか」
蛇はここで船を見て応えました。
「トロット王女達もいるね」
「そうだよ」
「じゃあ皆わかってるね」
「ここがオズの国と外の世界の境ということはね」
「しっかりわかってるんだね」
「そう、そしてね」
そのうえでというのです。
「来たんだよ」
「そういえば」
蛇はここで恵梨香達五人を見て彼等に気付きました、そうしてそのうえで今度はこう言ったのでした。
「はじめて見る子達もいるね」
「この子達にね」
船長はまた蛇にお話しました。
「オズの国と外の世界の境を見せてあげようと思って」
「ここにだね」
「連れて来たんだ」
「境を知ってもらう為に」
「そうだよ」
まさにというのです。
「その為だよ」
「境を知ることも大事だしね」
「それでなんだよ」
「わかったよ、じゃあね」
蛇は船長のお話を聞いて納得しました、そしてです。
そのお話の後で、でした。蛇は五人にあらためて挨拶をしました。
「はじめまして、僕がヨルムンガルドだよ」
「オズの国と外の世界の境にいる」
「そこにだよ」
まさにというのです。
「射る蛇だよ」
「そうですね」
「それで君達がだね」
「オズの国の名誉市民にしてもらっています」
恵梨香が五人を代表して答えました。
「有り難いことに」
「そうなんだね」
「ここから外の世界ですね」
「そうなっているんだ」
まさにというのです。
「出ることは出来ないよ」
「海からはですね」
「出ようとしてもね」
例えそうしようとしてもというのです。
「オズの国の逆の方にね」
「出てしまいますか」
「例えばオズの国の南西から出ようとしても」
それでもというのです。
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