バハラタ
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<バハラタ>
美しく大きな川の畔で、営みを続ける町バハラタ。
アルル達は、この町の特産品である黒胡椒を求め、町人達から情報を集めている。
そして集めた情報を頼りに、1軒の店の前にやって来た…
「………此処で…間違い無いよな…」
「わ、私に聞かないでよ!」
「きっと此処ですよアルル。ほら看板があります!」
そうハツキが指差した所には【黒胡椒直売所】と看板が…
「……でも店閉まってるやん!」
「でも中から人の声が聞こえるよ」
そう言ってリュカは勢い良くノックする。
(ゴンゴンゴン)
「すんませぇ〜ん!黒胡椒をくださいなぁ〜」
暫くすると中から老人が一人顔を出し、警戒しながら訪ねる。
「…あの…お客さんですか?」
「あれ?もしかして耳が遠いの?」
リュカは小首を傾げると、大きく息を吸い、
「そうでぇ〜す!!お客さんですよー!!」
と、かなりの大声で老人に話しかけた!
「うるさーい!!聞こえとるわい!!耳は正常じゃ!」
老人も負けずに大きな声で怒鳴り返す!
・
・
・
「いや…失礼しました!少し立て込んでおりまして…」
暫く店先で叫び合っていたが、互いの状況を理解する為、店内へと移動し状況を聞く事になった。
「いえ…こちらこそ申し訳ありません…」
耳鳴りが治まらないが、平静を装って謝罪するアルル。
店内には先程、怒鳴り合いをした店主の老人『ターゲル』と、店員の『グプタ』の二人が神妙な面持ちでアルル達を見つめている。
「あの…何か問題事でも…?」
「………実は…私の孫娘のタニアが盗賊に誘拐されてしまいまして…莫大な身代金を要求されております…」
「わぉ、一大事!じいさん、その孫娘は美人か?」
「え?…えぇ…まぁ…」
リュカの緊張感のない質問に、思わず呆れ頷くターゲル。
「ターゲルさん!こんな誰か分からない旅人に、話す事はないでしょう!タニアは僕が助けます!」
リュカの態度にグプタが怒る。
「そッスよ!他人に言う事じゃないッスよ!………でも美人なのかぁ…今頃、むっさい盗賊共に○○○な事されて、○○○になってんだろうなぁ…○○○や○○○を○○○されて、○○○で○○○なんだよ、きっと!こう言う時、美人は損だよね!ま、ヤツらにしたら女だったら何でもいいのかな!?」
「うわー!!!タ、タニアー!!」
リュカの無責任で無慈悲な発言を聞いたグプタは、泣き叫びながら店を出て行ってしまった!
「あ、行っちゃった!まぁいいや。…そんな事よりじいさん、黒胡椒を売ってくれよ」
「ちょっと、『行っちゃった』じゃないだろ!あの人タニアさんを助けに行ったんじゃないのか!?」
「あはははは、まさか!だって居場所が分からなきゃ「タニアは此処より北東の『バハラタ東の洞窟』に囚われております!
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