バハラタ
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」
何処までも無責任なリュカの発言を打ち砕く様に、ターゲルは説明をする。
「居場所が分かっているのに、何故助けを出さないのですか?」
「もちろん助けは出しました!町の警備や傭兵団を雇い………しかし全て返り討ちに合い、全滅しました…」
ハツキの疑問に、ターゲルは力無く答える…
「へー…じゃ、ヤベーじゃん!アイツ一人で行っちゃったよ。まぁいっか!それより黒胡椒売ってよ。それがあれば船を貰えるんだよね!そうしたらバラモス討伐に、また一歩近付くんだ!」
「バ、バラモス討伐!!…貴女方は勇者様ですか!?」
リュカの言葉にターゲルは瞳を輝かす。
「ま、まぁ…建前は…」
アルルが辟易した表情で肯定する。
「ど、どうか勇者様!タニアとグプタを助けて下さい!あの二人は恋仲なのです!故に私はグプタにこの店を託すつもりだったのです…しかし二人が居なくなってしまっては、こんな店………どうか…どうかお願いします!二人を…」
ターゲルはアルルの手を握り、涙ながらに懇願する。
《ち、近い!顔、近いから!!》
「わ、分かりましたから…その…は、離れて…」
「おぉ…どうか頼みますぞ!」
ターゲルは満面の笑みで頷き続ける。
「あのぉ〜………黒胡椒は?」
しかし全く空気を読まないリュカは、黒胡椒の事しか気にしてない。
「………二人が無事戻って来れば、好きなだけお譲り致します!ですから、どうか…」
「うん。そう言う事なら、早速行かないと!あの突っ走り小僧がぶっ殺される前に、追いつかないと大変な事になっちゃうね!」
「そ、そうね…ターゲルさん、その洞窟は遠いのですか?」
「大人の足で半日くらいです…しかしグプタの事だから、きっと馬を使って向かっているでしょう!どうか急いで下さいませ!」
それを聞きアルル達は慌てて出発する!
「しっかし、あのガキ突っ走りやがって!迷惑だな!」
「リュカさんの所為でしょ!酷い事言うから…」
「だぁって〜………盗賊なんて馬鹿な事やってる連中がやりそうな事でしょ?」
「ほら!リュカさんもウルフも…喋ってないで走るわよ!」
アルルが皆に走る事を指示する。
「えぇ…走るのぉ…めんど「は・や・く・す・る!!」
人命救助という使命を前に、妙に迫力を増したアルルに逆らえず、みんな大人しく走り出す。
「いい、正面に立ちはだかる敵だけを相手にして!他は無視よ…そうすれば追いつけるはず…彼はモンスターを避けながら進むはず…馬を使ってもモンスターを避けてじゃ、そんなに早くは進めないはずよ!私達は最短距離を突っ走るわよ!!」
そしてアルル達は走り続ける…
若者を救う為…
恋人達を助ける為…
そして、黒胡椒の為…(リュカのみ)
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