第7章:神界大戦
第223話「閉ざされた道」
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「……優輝君のように何かの代償を支払う時、自身の存在を代償とすれば或いは……らしいです。尤も、受け売りなので信用できない情報ですが」
神界の存在も死ぬ可能性はある。
その事を祈梨から教えられていた事を司はリンディにも伝える。
ただし、結局その祈梨は洗脳されていたので、正確な情報ではないかもしれないと、注釈をつけて。
「それに、“格”の昇華がなくなってしまえばその時点で私達は普通に死ぬようになります。……その結果が」
「優香さんと光輝さん、という事ね」
「はい……」
あの時、敵の極光に呑まれた優香と光輝を司は思い出す。
跡形もなく消し去られた二人は、どう考えても生きているとは思えなかった。
霊術を会得し、天巫女でもある司は魂をある程度感じ取る事も出来る。
だからこそ、そんな司でも“何も感じなかった”……つまり、魂ごと消し去られた事が確定してしまっていたのだ。
「……確か、その時は優輝さん以外洗脳されていたと……」
「……はい」
「結果だけ見れば、洗脳への抵抗は可能と言う事ね……」
「そうなります……」
優香と光輝が洗脳に抵抗した時、既に“格”の昇華はなくなっていた。
その上で洗脳に抵抗したと言う事は、昇華せずとも抵抗は可能と言う事だ。
奇しくも、二人の行動によってそれが証明されていた。
また、なのはも洗脳に抵抗しつつ、神界脱出のカギとなる一撃を用意していた。
その事も抵抗が可能という結論に拍車を掛けている。
「でも、それは……!」
「分かってるわ。……それが無謀な事ぐらい。貴女達は特に身に染みて分かっている事も、理解しているわ」
誰かが出来たから可能。
そんな浅慮な事はリンディも言わなかった。
ましてや、実際に戦ってきた司相手ならば尚更だ。
「……現状、打つ手なしと言う事ね」
「……はい」
「分かったわ。……とりあえず、司さんも休んでちょうだい。ここに来るだけでもかなり疲れている様子だったわ」
司も緋雪達同様、疲労が溜まっていた。
むしろ、“格”の昇華を行った分、司の方が疲労している程だ。
そのため、リンディは休息を催促していた。
「では……」
「ゆっくり休んでちょうだいね」
司が退出し、リンディは司から聞いた話を頭の中で整理する。
「障壁を破壊した力は司さんによるもの……これはドクター・スカリエッティとグランツ博士の推測通りだった。……問題は、その後のエネルギー反応ね」
思い返すのは、司達が脱出してくる直前の高エネルギー反応。
神界との境界を隔てた事で、余波は大幅に減衰していたはずだった。
その上で、周囲にいた面々を軽く吹き飛ばしたのだ。
「……
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