第7章:神界大戦
第223話「閉ざされた道」
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緋雪の事は椿と葵に任せ、司はリンディの下へ向かった。
「……少しは、落ち着いたかしら?」
「なんとか……」
少しして、ようやく緋雪は会話出来る程度に落ち着く。
それでも、まだ優輝がいなくなった事を受け止めきれずにいた。
「……あの後、どうなったの……?」
「順を追って説明するわ」
緋雪が気絶した後の事を、椿は順に説明していく。
そして、今は管理局と退魔師が共同で神界へ通ずる“穴”を監視しており、再び向かう訳にはいかないと言う事も伝えた。
「なんで、なんで行っちゃダメなの!?」
「……行った所でどうするの?司以外、私達の攻撃は通じないのよ?」
「っ……」
それは、緋雪にも分かっていた。
故に、たったその一言だけで緋雪の勢いは削がれる。
「それに……」
「ぇ、あぅっ!?」
「私含め、こんなに弱ってる。足手纏いにしかならないの」
椿が軽く緋雪を小突く。
それだけで、起き上がろうとしていた緋雪の体が再びベッドに戻される。
「神界で“格”の昇華がされていた時、いくら意志の持ちようで力を引き出せるとはいえ、それがなくなった今はどんな反動があるかわかったものじゃないわ」
「むしろ、こうやって弱っている程度で済んだのは御の字だね」
椿と葵の言う通り、現在神界に突入していたメンバーは軒並み弱体化している。
洗脳されていた時に同士討ちをし、重傷を負ったメンバーに至っては未だに目を覚ましていない程だ。
「……そんな……」
「回復するにしても、一朝一夕じゃどうにもならないわね」
「とこよちゃんと紫陽ちゃん、鈴ちゃんが霊脈を再利用するつもりだけど、それでも全快までは時間が掛かるよ」
弱った体を引きずって霊術に長けた三人は行動を起こしている。
修行の結界のために使っていた霊脈だが、結界がない今は再び利用できる。
そのため、再利用しようと三人は再び八束神社に降り立っていた。
「お兄ちゃん……お兄ちゃん……!」
「……緋雪」
今はもうどうしようもない。
その事を理解した緋雪は、追い求めるように俯いて優輝の名を呼ぶ。
生きていてほしい、無事でいてほしい、戻ってきてほしい。
そう思う緋雪の気持ちが理解できるため、椿も掛ける言葉が見つからなかった。
「っ………!」
慰めも、同情の言葉も緋雪には無意味だ。
故に、だからこそ、椿は噛み締めるようにその言葉を告げる。
「“―――皆に“可能性”を託す。……皆が、倒すんだ”」
「……え?」
「優輝が最後に私達に伝えた言葉よ」
それは緋雪が気絶した後、伝えておくように言われた言葉だ。
「“可
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