暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第7章:神界大戦
第223話「閉ざされた道」
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いたね。……思考すら誘導されていたと考えるのが妥当だろう」

 ジェイルとグランツが冷静に分析する。
 だが、それ以上はどうしようもなかった。
 二人共頭は切れるが戦闘や戦術に長ける訳ではない。
 何より戦力となる優輝達が為す術なく撤退してきたのだから。

「まずは、帰ってきた彼女達がある程度落ち着くのが先決だろう」

「……そうだね」

 なにはともあれ、とこよと紫陽の説明だけでは情報が足りない。
 全員から話を聞けるようになるまで、彼らは待つ事にした。











「……っ、ぅ……」

「あ、緋雪ちゃん、目が覚めた?」

 しばらくして、アースラの医療室で目を覚ました緋雪。
 一部の退魔師と魔導師を見張りに残し、司達はアースラに移動していた。

「司、さん……?」

 司は眠っていた緋雪に付き添い、目が覚めた事で念話と伝心でその事を皆に伝えた。
 ちなみに、司以外にも奏やとこよと、交代しながら看病していたりする。

「私、何が……?……ぁ……」

「緋雪ちゃん」

 目を覚ました緋雪は、何があったのか思い返す。
 そして、無意識に直視しないようにしていた事実を思い出す。

「お兄ちゃん……」

「落ち着いて、緋雪ちゃん」

 思い出し、顔を青褪めさせる。
 そして、動き出す前に……司が止めにかかる。

「離して!お兄ちゃんが、お兄ちゃんがっ!」

「落ち着いて!」

 何とか抑えようとする司だが、緋雪の力は生半可じゃない。
 幸いにも、神界での戦いが影響してか、今は魔力が使えずにいた。
 そのため身体強化はされていなかったが、それは司も同じなので結局身体能力の差で抑えきれずにいた。

「っつ……!?」

「えっ……?」

「司が落ち着きなさいと言ってるでしょ」

 緋雪の額に何かが当てられる。
 それを見て司が振り返ると、そこには椿と葵の姿が。
 椿の手に霊力の残滓がある事から、彼女が霊力の玉を投げつけたのだろう。

「で、でも……」

「気持ちは分かるわ。けど、まずは深呼吸して落ち着きなさい。そうでないと、話も出来やしないじゃない」

「……うん」

 言霊を使いつつ、一度緋雪を落ち着かせる椿。
 その間に、葵が司に話しかける。

「司ちゃん、さっき事情聴取のために呼んできてほしいってリンディさんが」

「リンディさんが?……あぁ、そっか。“格”の昇華についてだね」

「そうそう」

 リンディ達にとって、司は現状唯一神界に対抗できる存在だ。
 そのため、話を詳しく聞いておきたいのだろう。

「じゃあ、私は行くね。緋雪ちゃんの事、任せるよ」

「うん。任せて」

 
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