第7章:神界大戦
第223話「閉ざされた道」
[3/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
言っただろう?相手の力は規格外だと。あたしたちでも歯が立たなかったんだ。今更行った所で犠牲が増えるだけだ」
「そもそも、“格”の昇華がなくなった今、攻撃を通す方法がないよ」
元々祈梨の力を頼りにしていた以上、それがない今はどうしようもない。
それが理解できたのか、突入しようとした面々も立ち止まる。
「私達だって助けに行きたい。特に、緋雪ちゃんや司ちゃん……優輝君を慕っていた子達は皆助けたがってた。……でも、無理なんだよ」
「……逃げざるを得なかった。……いえ、そうでもしないと逃げる事さえ不可能だったという訳ね……」
「あたしたちの中で、神界に通用するのは優輝か司だけさ。今いる司も、一人ではとてもじゃないが敵わない」
司は“格”の昇華は出来るが、理力を扱える訳ではない。
そうなると、どうしても一人では地力が足りないのだ。
「待って。じゃあ、彼はどうやって……」
「……わからない。けど、現に足止めは出来ているよ」
「どう考えたって、何の代償もなしにやってる訳じゃない。あたしたちに掛かってた洗脳を解くのだって、因果逆転染みた代償を支払っていたからね」
実際に優輝が何をしたのか、とこよ達も知らない。
それでも、生半可な代償ではない事は分かっていた。
「……だから、誰も救援には行くな。あいつの、最期の覚悟を汚す気かい?」
「っ……そういわれると、引き下がるしかないわね……」
よく見れば、悔しさからかとこよと紫陽の握り拳から血が出ていた。
二人だって、本当は助けたかったのだ。
しかし、力は及ばずに逃げるしかなかった。
リンディはその悔しさを察し、素直に引き下がる事にした。
「……被害は、死亡者二名と、行方不明者二名……ね」
「戦力差からすれば、破格の結果と言えてしまうのが腹立つね」
「本当なら全滅が当然だった程だから……仕方ないよ」
受け入れるように言うとこよ。
だが、そんなとこよも到底受け入れられなさそうに腰に差す刀の柄を握っていた。
「……人並外れた力を持っていると自負していた。……でも、そんなの関係なかった。神界じゃあ、皆等しく無力だった……!」
「………今は、とにかく休んで。話はその後に……」
「分かった。……とこよ、行くよ」
情報や、気持ちの整理の時間が必要だと、リンディは判断する。
紫陽も同意見だったようで、とこよを連れて司達のいる所へ向かう。
「詰めや読みが甘かった……というだけじゃなさそうだね。あれは」
「……ああ。僕は彼女らと接した期間は然程長くないけど、彼女らはそう簡単に油断や慢心をしない。その上でこうなったと考えるならば……」
「全て最初から仕組まれていたと言って
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ