第一部
学園初日
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「入学最初の授業くらい起きなよ」
「いやー昨夜はゲームが捗って捗って楽しかったもんでついつい遅くまで、な……」
【龍帝学園】に入った《立華紫闇/たちばなしあん》は幼馴染みの《的場聖持/まとばせいじ》と同じクラスで偶然にも隣の席だった。
巨大な教室には100人の生徒が居る。
「紫闇は大物だな。【魔術師】として成り上がることも娯楽を極めるのも、両方こなせる能力が自分に有ると思えるんだから」
「ハハハ、照れるなぁ〜」
聖持は皮肉で言ってやっているのだが紫闇は全く堪えていないようだ。
「ポジティブだな」
「それに関してはな。世界一根拠の無い自信に満ち溢れていると言って良い。取り敢えずのライバルというか目標になりそうな奴は居るには居るんだが……」
紫闇は今年の一年について考える。
入学したのは千人。
これは毎年のことだ。
しかし卒業までに半分以上は消える。
大半は軍属となるので基準をクリアしていない成績と能力の者は進級することが許されない。
まあ座学が悪くとも戦闘能力が突き抜けているなら卒業することは珍しくはないが。
聖持と《エンド・プロヴィデンス》は入学前からふるい落としの基準を超えているので自主退学以外で辞めることは無いだろう。
(こいつらはあまりに強過ぎて俺のライバルにすることが出来ないからな……)
だから彼が一番のライバルになる筈だ。
別のクラスになった男子。
昨日は【刻名館学園】の生徒から助けてくれた《江神春斗/こうがみはると》
雑魚とは言え五人を瞬く間に倒すなど今の紫闇には絶対に無理だが紫闇が成長すればあの程度の連中に苦戦することは無いはず。
当面目指すのは彼となるだろう。
(敵わないのは現時点での話だ。何れは江神と同じくらいのことが出来るように)
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
一限目の座学が終わる。
ここからが魔術学園の本分。
魔術学園の座学は朝と夕に一限ずつしか存在しておらず他は全て戦闘訓練。
魔術学園という機関は平凡な学生と同じように学力や社会技術を教えたりしない。
戦士を育成する施設である。
一年の全員が体育館に向かう。
更衣室で着替えるからだ。
「おいあれ……!」
しかし移動しようとした一年が止まった。
ドアの所に女性が居たから。
龍帝学園の五年生で生徒会長。
《島崎向子/しまざきこうこ》
日本中で知られる全国区の学生魔術師であり海外の魔術師からも注目されている。
「品定めか」
聖持は彼女をよく知っているらしい。
彼女
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