怪盗乱麻と女城主の対面
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ートの一番偉い人で、わたしを招いた人)
部屋は広く。正面には仕事をするための机があり、その向こうに座っているのは眼帯をした女の人だった。漫画やアニメで見る眼帯のキャラクターって大体怖い人とかきつい印象のことが多いけど、それとは逆にルビー色の瞳がわたしを優しく見つめていた。年齢は少なくとも子供じゃない……けど、背中まで伸びているであろう綿菓子みたいにふわふわした茶髪と綺麗な目のせいで20歳ちょっとにも見えるし、実は40は超えているのかもとも思ってしまう、不思議な雰囲気をまとっている。
「まずはようこそ、バトルリゾートへ。アローラから遠路はるばる、一躍話題の怪盗が来てくれたこと、シャトレーヌとしてお礼を言わせていただきますね」
「……怪盗としてくることになるとは、わたしは思ってなかったけど」
ちょっと皮肉っぽかったかもしれない。だけど向こうは眉をひそめることもせず、ゆっくりと頭を下げた。
「ごめんなさい。このことは、出来るだけリゾートだけの秘密にしておきたかったのです」
「それはスズから……アローラの管理者から聞いたわ。でも、どうしてわたしを?」
「うーん……笑わないかしら?」
「どんな理由であれ逃げだすつもりはないし、言いたくないなら結構よ」
シャトレーヌは微笑んだままだけど、あまり気は進まない様子だった。なら遠慮しようかと思って言ったんだけど……
【大丈夫ですよ、シャトレーヌ。ほかの誰ならいざ知らずラディは気にしません】
「スズ、そんな勝手に」
通話の設定をスピーカーに切り替えたであろうスズの声が部屋に響く。別に事情は人それぞれだから気にする方じゃないけど太鼓判を押されると妙なプレッシャーがかかるのでやめてほしい。
「実はね……私、スズからアローラで活躍を始めた女の子の怪盗の話を聞いたり、写真を見せてもらったりしてね。貴女のことが大好きになってしまったの」
「だ、大好き……!?」
「ええ、ええ!もしよかったら今からハグしても……いえ、握手だけでもしてくださらない?」
椅子から立ち上がるシャトレーヌにわたしは思わずたじろいでしまう。初対面の人から大好きなんて言われたことなんてないし、まして大人相手になんて……!
【あなたは昔から女の子が好きでしたからねえ。他のシャトレーヌにもそうやって言い寄ったんですか?】
鏡を見るまでもなく顔が真っ赤になっているわたしへスズが口を挟む。確かにシャトレーヌは全員女の人って聞いてたけど、まさかだよね?
「もちろん、あの子たちのことも大好きよ? ただ管理者として上に立つだけでなく、同じ姉妹の契りを交わした仲ですもの!」
「言い寄ったのは否定しないの!?」
わたしは思い切り後退りしてシャトレーヌから離れた。このふわふわした態
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