T La bambina da I'ARIA…
第004弾 凪優とキンジとアリア
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まるで怒涛の嵐と形容できる──とはいえ、実際にそうであったのだが──学校が終わり、放課後。
キンジと私はアリア絡みの一件による精神の疲れもあってか、寮の自室で休んでいた。アリアからの逃亡のために叩き起された瑠璃は、明日の朝まで休眠中である。何ともご苦労さんだ、と胸中で小さく労った。
といいつつも、実際に休んでいるのはキンジだけである。
私はリビングで、私は探偵科・鑑識科から情報科に回ってきた、今朝の爆弾事件の教務科提出用資料を纏めていた。
そうして詳細を目に通していく。それが中頃まで過ぎた頃だろうか。おもむろに、キンジが口を開いた。
「なぁ、凪優……」
「ん? どうしたの? キンジ」
「今朝の事件について凪優はどう思ってるんだ?」
「『どう』って言われても……ノーコメントかしらね」
「ノーコメント? どういう事だ」
キンジは訝しみ、眉を顰める。
「だって犯人の目的・意図が不明だから。何もかもが不明。だからノーコメント。そういうキンジはどう思うのよ?」
「俺は……武偵殺しの模倣犯は爆弾魔かなって思ってる」
「爆弾魔か……」
「ああ。今朝の犯行の手口からしてそう考えるのが妥当だしさ」
「成程ね……」
──ピンポーン。
なんかチャイム鳴ってる気がするが、無視だ無視。まだ宅配業者来る時間じゃないし。
「……? どうしたんだ?」
「え、あっ……あはは。何でもない。続けて?」
「あ、ああ。……そうなれば」
「そうなれば……?」
「たまたま運悪く俺のチャリに仕掛けられたものと証明できる」
「『たまたま』で仕掛けないでしょ。幾らなんでも。爆弾魔だって狙い目絞ってるでしょうよ。それに対象がチャリて、みみっちくない?爆弾魔にしては」
──ピンポン、ピンポーン……。
誰か悪戯で連打してる阿呆がいるのだろうか。こんなもん無視だ。
「じゃあ俺個人を狙ったものと言いたいのか? 凪優は」
「まぁね。なんの恨みで……というか恨みが動機さえも不明だけどね」
──ピポピポピポピポピピピピピピピンポーン! ピポピポピンポーン!
インターホンは「太鼓の達人」じゃないんだよ。なんでそんな連打するんだよ。そんなに連打したってハイスコアなんて存在しないのに。
それに呼び鈴が五月蠅いったらありゃしない。これじゃ話どころじゃないやん。誰なのよ。一体。こんな事する阿呆は。
(##゜Д゜)イライラを必死に理性で抑えつつ、凪優はソファから立ち上がる。そして玄関まで数歩を数えてから、ドアを開けた。
直後、彼女の視界に入ったのは──記憶に真新しい、一人の少女。
「遅い! あたしがチャイム押したら5秒以内に出ること!」
「無茶言うなって…
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