第4話『いずも』
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ねる子供だ。
「さて燕さん、とりあえずここからは自由時間ってことでいいんですか?」
「そうだな。 各々活動に励んでくれ。 輝橋は私がしっかり見張っておこう」
「なぁんで!?」
以前にも言ったか、自業自得である。
「なら俺はちょっと出てくる」
「どうしたの? なんかあった?」
「下で見た地図だとこの上もう少し登ったら展望台があるんだろ?」
「あぁ、ありますね。 確かに景色はいいですけど……微妙に遠いですよ?」
「問題ない。 体力には自信がある」
荷物を整理し、小さめのカバンに軽い散歩ができそうな程度の物を詰め込む。
他の連中はどうするのかと見てみると輝橋、立石、天野の3人は長谷川と一緒にボードゲームを広げ、如月は先程まで輝橋が小さくなっていたところに収まりゲーム機を起動している。 燕と武蔵野先生もくつろいでおり、しばらく外に出る気はなさそうだ。
ならば一人でさっさと行ってしまうかと思っていたところに、如月から声をかけられる。
「あ、ユイも行くって」
「ふえっ!?」
予想もしていなかったであろう言葉に立奈がすっとんきょうな声を上げる。 実際立奈は既にくつろぐ体勢に入っており、外出の準備など全くしていない。
「あんまそういうのよくないですよ如月さん」
「……ユイ、ちょっと」
「えっと、はあ……」
「無視かよ……」
苦言を呈する玲人を尻目に部屋の隅で話をする如月と立奈。 しばらくすると、立奈がいそいそと外出の準備をしだした。
「立奈、何言われたかは知らんが無理しなくてもいいぞ?」
「い、いえ、私もちょうどこの辺を見て回りたかったところなので大丈夫です!」
「立奈がいいなら別にいいんだが……」
立奈の支度を待っている間に、ふと思いついたことがあって鞄から一つのケースを取り出す。
「! 先輩、それって」
「まぁ、持って来いって言われたからな」
それはいつだったか立奈にも見せたリアクトカメラのケースだ。 これでまともな写真が撮れる気はしていないが、立奈と約束してしまっていたので一応持って来ていた。
「草場がそれ使うの珍しいな。 学祭の展示会に向けて練習?」
「そんなところだ」
ケースから取り出したカメラを首から下げる。 こうしてみると妙にしっくりくる感覚がある。 これでいて普通に写真を撮ることが出来たら文句なしに最高のカメラだと思うのだが……
「それじゃあ、出発しましょう!」
準備を終え、デジタルカメラを構えた立奈に玄関へと急かされる。
「暗くなる前に帰ってくるんだぞ」
「あ、結構虫多いので気をつけてくださいね」
「ユイ、ふぁいと」
三者三様の見送りを背に受けながらログハウスを出る。
たまには蝶なんかを撮
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