第百二十六話 湖の征伐戦その六
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英雄の考えに反対する者は特にいなかった、誰もがここで長い間いる訳にはいかないとわかっていたからだ。
それで英雄は軍議の後で幸正と香織に瀬戸内の魔物退治を続けさせたうえで自身は他の仲間達そして主力を率いたうえで広島城に向かった。
そして広島城に入るとまずはこう言った。
「この城もいい城だな」
「おう、この城ならじゃ」
当季がその英雄に笑って応えた。
「安芸全体を治めるだけじゃなくてのう」
「山陽全体の政にもな」
「使えるぜよ」
「その要になる」
まさにというのだ。
「この城はな」
「そうじゃのう」
「それだけの城だ、そしてだ」
「この城をじゃな」
「新しい拠点としてだ」
そのうえでというのだ。
「使ってだ」
「山陰攻めじゃな」
「もう鳥取は抑えたしな」
「周防、長門ものう」
「周防や長門からは攻めないが」
石見に面しているがというのだ。
「九州に備えるからな」
「そうじゃな」
「だがな」
「この安芸とじゃな」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「鳥取からもな」
「攻めてじゃな」
「そしてだ」
「山陰も完全に手中に収めるのう」
「そうしていく、ではだ」
「すぐに使者を送るんじゃな」
「山陰の国人達にな」
その彼等にというのだ。
「そうしてこれまで通りな」
「まずはじゃな」
「降る様に言ってだ」
そうしてというのだ。
「降らせる」
「妥当じゃのう」
「戦をするよりもな」
「そうじゃな」
「そしてだ」
英雄はさらに話した。
「山陰を掌握したならな」
「九州じゃな」
「あちらを攻める」
そうするというのだ。
「あちらから先に来るかも知れないがな」
「それでもじゃな」
「どちらにしても攻める」
「そうして西国全土を掌握するんじゃな」
「まずはな、では今はな」
「山陰攻めじゃな」
「それに入る」
こう言って英雄はすぐに山陰の国人達に対して使者を送りはじめた、するとすぐに多くの国人達が彼等に降った。
その状況を見てだった、英雄は仲間達に広島城で語った。
今英雄達は酒を飲んでいた、肴は生牡蠣でそれぞれ柚子の汁だの醤油だのぽん酢をかけて食べている。
その中でだ、こう言うのだった。
「山陽より順調に進んでいるか」
「山陽を統一したっちゃ」
留美が生牡蠣、殻から出しているそれを食べつつ応えた。
「そのことが伝わっているっちゃ」
「だからか」
「どの勢力も戦うよりっちゃ」
「降るか」
「降っても損しないからっちゃ」
だからだというのだ。
「それでっちゃ」
「降るか」
「そうっちゃ」
まさにというのだ。
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