第百二十六話 湖の征伐戦その五
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「多過ぎる」
「本来湖や川の魔物は少ないですが」
「陸に比べてな」
「それがです」
謙二もこう言った。
「あまりにもです」
「多くな」
「それで、です」
「俺達もこうしてだ」
「戦闘を続けています」
「山陰にそろそろ兵を進めたいが」
英雄は戦略の話もした。
「瀬戸内の海賊もこちらに入ったからには」
「戦略目的を達成したので」
「次に移りたいが」
戦略的にというのだ。
「それはな」
「今は、ですね」
「魔物退治もあるからな」
「ではです」
謙二は英雄のその言葉を聞いて言った。
「ここはです」
「魔物を退治する者を置いてか」
「そうしてです」
「鳥取、そして安芸からだな」
「山陰を攻めていきましょう」
「そうしていくか」
「ここは。幸い山陰も多くの国人達がいるだけで」
それでというのだ。
「統一された勢力はいないので」
「これまで通りか」
「こちらの力を喧伝して」
その様にしてというのだ。
「そしてです」
「そのうえでだな」
「はい、降る様に勧めれば」
使者、それを送って。
「よいかと」
「そうだな、ではな」
「ここは、ですね」
「そうするか、ここには幸正を置いて」
水軍を率いる即ちここで最も有利に戦える彼をというのだ。
「補佐に香織もだ」
「うちもたいな」
「そうだ、やってくれるな」
「わかったとよ」
香織は英雄にすぐに笑顔で答えた。
「ならたい
「その様にな」
「やらせてもらうたい」
「頼む、そしてだ」
英雄はさらに話した。
「俺達は一旦岡山城に戻り」
「そうしてですね」
また謙二が英雄に応えた。
「その後で」
「そうだ、岡山城からな」
「主力を率いて安芸に入りますね」
「広島城にな」
この城にというのだ。
「主力と共に入りだ」
「そこを拠点として」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「北上してだ」
「山陰、まずは出雲ですね」
「あの国を攻めて手に入れ」
英雄は謙二にこれまで自分達の中で何度も話して練ってきた軍略を話した。
「石見もだ」
「あの国も手に入れる」
「銀山もな、ではな」
「ここは幸正さんと香織さんに任せて」
「俺達は岡山に戻る」
「それでは」
「軍議を開いて決めよう」
こう言ってすぐに軍議を開いた、するとだった。
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