引越し
[8]前話 前書き [2]次話
「 今の家って狭くないですか? 」
「 そうですか? 」
「 1DKに二人暮らしですからね 」
「 メゾネットタイプですけどね 」
「 室内に階段があるってあんまり良くないですよね 」
「 たしかに 」
「 天井も低いし 」
「 うんうん 」
「 引越ししようかなと 」
「 おお!いいですね 」
男の一人暮らしなら1DKで十分だと思っていたのだが。
...だが。
まぁ、お察しである。
「 どんなとこに住みたいですか? 」
「 私の意見は気にしなくていいですよ?居候みたいなものですし 」
「 そうですか 」
「 ...ええ 」
「 ちなみに、女神様の理想のお住まいってどんな感じですか? 」
「 そうですね...1Rで十分ですかね 」
「 広さは? 」
「 100平米くらいあれば大丈夫です 」
旅館の大広間かよ。
あ、それにキッチンが付いた感じか。
うーむ、混沌。
「 ...で、どんな間取りにしたんですか? 」
「 無難に2LDKにしました 」
「 もう決めたんですか 」
「 いえ、見学に行ってからですよ 」
「 いつ行きます? 」
「 まだ前の住人が住んでるらしいので、来月の中旬あたりになるかと 」
「 楽しみですね 」
「 ええ、楽しみでもあり、面倒でもあり 」
「 あなたとの共同作業ですからね 」
「 語弊のある言い方ですね 」
「 嫌ですか? 」
「 まさか 」
「 まさか? 」
「 言わせるんですか? 」
「 たまには言葉にして欲しいものなのですよ 」
「 そうなんですね 」
「 あ、また流しましたね 」
「 ...今は受け止める準備をしているところです 」
「 ふふ、進展アリってことにしておきましょうか 」
「 ぜひそれでお願いします 」
面倒だと思っていたが、さらに面倒なことになりそうだ。
独り身だったころが恋しい。
自分以外の人間(神)を意識しないといけないのが辛い。
...と、言っておくことにする。
[8]前話 前書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ