第一章
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青女房
大阪市東淀川区に住んでいる宮本亜希は肩凝りに悩まされている、それで職場結婚をして今も同じ職場で働いている夫の庄一郎にもよく家で漏らしていた。
「肩がね」
「また凝ってるんだな」
「そうなのよ」
こう言うのだった。
「これがね」
「相変わらずなんだな」
「そう、本当に相変わらずよ」
夫の黒髪に少し白いものが混じってきて結婚した十年前に比べると皺が目立ってきた顔を見て言った。自分より五つ上だからそれも当然かと思いつつ見るのが常だ。顔はやや細く目は二重だが細い感じだ。唇はやや薄く鼻は高い。背は一七五程で痩せているがやはり歳のせいか最近腹も目立ってきている。
「これは」
「結婚した時からだな」
「もっと言えば結婚する前からもね」
こう夫に言うのだった。見れば亜希の外見は。
茶色の髪の毛を奇麗に首の高さで切り揃えている。やや切れ長の目はきらきらとしていて艶すらある。口元は優し気で眉は細く奇麗なカーブを描いている。三十五歳の年齢を感じさせぬ健康的な身体で胸は大きく脚の形もいい。実に色気のある身体つきだ。その色気がラフなシャツとジーンズという部屋着でもわかる。
「肩凝りなのよ、胸が大きくて」
「本当に胸って肩凝りに関わるんだな」
「なるわよ、それにね」
「冷え性だしか」
「余計によ、特に子供が出来てから」
六年前に女の子が出来ている、二人でかなり可愛がっている。
「余計にね」
「それでいつも困ってるか」
「この通りね、どうしたものかしら」
「風呂入るか?」
夫は亜希に少し考えてから提案した。
「そうするか」
「お風呂?」
「そもそも奥さんずっとシャワーだろ」
夫は妻を自分の呼び方で呼んでこのことを尋ねた。
「そうだろ」
「ええ、冬もね」
「それ身体が温まらないからな」
それでというのだ。
「奇麗になるだけで」
「よくないの、肩凝りに」
「そうみたいだぞ」
「そうだったの」
「だからな」
それでと言うのだった。
「もうな」
「シャワーは止めて」
「お風呂に入るか?」
湯舟にというのだ。
「それも一回入ってあったまってな」
「それで終わりじゃなくて」
「一度あがって冷たいシャワーで身体冷やして」
「また入るの」
「そうしたらかなり違うらしいんだよ」
「そうだったのね」
「だからな、どうだ?」
妻にこの肩凝りの対処方法を提案した。
「いつも揉んだり叩くよりな」
「お風呂の方がいいのね」
「そうしたらどうだ?」
「肩凝りがなおるなら何でもするわ」
これが妻の提案だった。
「それじゃあね」
「ああ、すぐにやってみるといいさ」
「そうするわね」
こう言って実際にだった。
亜希は入浴はシャワーだけで
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