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ほのかに甘くHOLIDAY
第七章
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 彼女の今の横顔を見てあんまりにも奇麗、可愛いのではなくそちらだったので僕は思わず息を飲んだ。夕暮れの海の水平線のところの船を見ているだけなのに。
 その顔があんまりにも奇麗で僕は息を飲んだ、すると。
 彼女からだった、また僕に聞いてきた。
「どうしたの?」
「あっ、何でもないよ」
 咄嗟に打消しの言葉を出した。
「別に」
「そうなの」
「少しここで海観ていようか」
 僕は彼女に提案した。
「駅まで帰るにしても」
「もう少ししたら夜になるけれど」
「あっ、もうそんな季節なんだ」
「日が落ちるの早くなってるから」
 それでというのだ。
「だからね」
「もうなんだ」
「ええ、そろそろね」
「それじゃあ」
 僕は彼女の言葉を聞いて言った。
「帰ろうか」
「そうしましょう」
 二人でこう話して駅に向かった、駅に戻るまでの間僕達はずっと手を握り合っていた。これが僕と彼女のはじめてのデートだった。
 そのデートが終わってからだった、僕は友達に話した。
「いいデートだったよ」
「そうか、しかしな」
「しかし?」
「随分甘ったるいデートだったな」
「そう言うんだ」
「話を聞いてる限りな、それでまだるっこしいな」
 友達は僕に難しい顔で言った。
「もっとこう最初からな」
「進展があるとか」
「手をつなぐとかじゃなくてな」
「キスとか」
「もっと先だよ、言わせるなよ」
 そこから先はというのだ。
「お前もわかるだろ」
「それ高校生のデートじゃないよ」
「けれどそういう展開もあるだろ」
「そうした漫画とかゲームだとね」
 僕もわかっていて応えた。
「それは。けれどね」
「奥手だからか」
「そこまでは無理だよ」
「やれやれだな」
「それでそう言う君はどうなんだよ」
「ま、まあそれはな」
 友達は自分に話が振られると急にバツが悪そうに戸惑って言ってきた。
「俺も彼女いるけれどな」
「いい娘だって言ってるよね」
「それでもな、ちょっとな」
「そういうことはなんだ」
「悪いかよ」
「結局同じじゃない」
「そうかもな、けれどな」
「それでもなんだ」
「俺も今度は手をつなぐからな」
 自分の彼女と、というのだ。
「だからお前もな」
「進展あれとか?」
「そうなれよ、何もないとかな」
 それはというのだ。
「まだるっこしいからな」
「奥手だけれど一歩ずつ進んでいくよ」
「そうしろよ、しかし本当にいい娘彼女にしたな」
「僕もそう思ってるよ」
 笑顔になった友達に笑顔で応えた、そしてだった。
 僕は友達と今度は駅前の昔ながらのゲームセンターの話をした、ゲームセンターも今はかなり減ってきているという。けれどそのゲームセンターは楽しいのでそちらの話をして楽しんだ。そし
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