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ストライクウィッチーズ 流星の白虎と暴れ馬のウサギ
運命が動き出す時……。中編
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暫く黙り込んだ後、ミーナは、少なからず恐る恐るした様な口調で、ゆっくりとこう言い放つ。
「……やはり、彼の脳には、何らかの改造手術が行われている可能性があるわね」
「考えたくも無い話だ……」
「……えぇ」
このミーナの発言に対し、美緒は苦虫を?み潰した様な表情で、コーヒーを啜る。
対する、ミーナも美緒と横目に見ながら、彼女と同じ様に苦虫を潰したような表情で、コーヒーを啜った。
心無しか、二人の口の中に広がるコーヒーの苦みが、いつもより強く感じるのを噛みしめながら、ミーナは「……ふぅ」と一息つくと、椅子に腰かけ、机から、一枚のファイルを取り出す。
そのファイルはウィーラーに対して、行われた人体改造手術に関する記録や今後の計画に関して、まとめた物だ。
本来は計画を主導するOSSと、計画に参加している一握りの科学者や医師達にのみ渡される極秘資料であるが、ミーナと美緒は、かねてから計画に否定的・懐疑的なノーマンを通じて、独自に入手する……と言う、まさにコソ泥も同然の行為で手に入れた物だ。
だが、これ以外に、ウィーラーの体に何が行われたのかを明確に知る事の出来る方法が無いのも、またの事実であり、ウィーラーを兵器ではなく、”人間”として生かしたいミーナと美緒にとって、このファイルは絶対不可欠な物である。
ミーナは、そんな絶対不可欠な存在である極秘ファイルを開くと、後ろに居る美緒と共に、ウィーラーに施された改造手術の記録を確認していく。
そこに記録されている数々のグロテスクな手術中の写真、手術によって、ウィーラーの左腕として、取り付けられた節電義手の写真等に顔を顰めつつ、二人は一通りファイルに目を通す。
だが、そこには、『脳改造』の記述は一切見つかる事が無かった。
「やはり、記録には残っていないのか……」
そう呟きつつ、「ふぅ……」と息を付く美緒に対して、ミーナはこう告げる。
「でも、やはり何からあると思った方が良いわね……。ノーマン先生によると、”先生自体も知らない施術が、モニス博士の独断によって行われている可能性がある”って……」
このミーナの発言に、美緒は堪らず「はぁ……」と呟きながら、呆れ気味に、こう言い放つ。
「主治医が患者の状態を全部把握できない状況か……。全く……この世の中にこんなトンデモナイ事態があるものなのか……」
「本当にまったくよ……。一応、ノーマン先生の方でも、どういった手術がモニス博士の独断で行われているかを調査しているみたいだけど、私達の方でも、可笑しいと思った点があったら、注意しないといけないわね……」
美緒の発言に同意するかのように、そう呟きつつ、残ったコーヒーを飲み干すミーナ。美緒も続く様に、すっかり温くなったコーヒーを一気に飲み干す。
そうして、二人がコーヒーを飲み干すと同時に、ミーナ
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