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ストライクウィッチーズ 流星の白虎と暴れ馬のウサギ
運命が動き出す時……。中編
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。分かった、分かった、書いておくよ!」
「んじゃ、宜しく……。俺は、今の試運転のレポート書いてくるから……」
そう言い放血ながら、俺はシャーリーから逃げる様に、ハンガーを後にし、そのシャーリーは「あいよー♪」と嬉しそうにつぶやきながら、何処から取り出したレンチを片手にP-47を弄りだす。
そんなシャーリーの様子を横目で見ながら、胸の内では、一抹の不安を感じつつも、「ま、そこまでバカな改造はしないだろう」と思いつつ、自室へと足を向ける。
まぁ……この後にある意味で、予想通りと言うべきか、このシャーリーの弄ったP-47が原因で、とんでもない悲劇が起きるのだが……。
それに関しては、また別の機会に話す事にしよう……。
…
……
………
<?Side>
ウィーラーとシャーリー達がハンガーで、あーだー、こーだとやっていた頃。
ミーナと美緒は、ミーナの部屋でコーヒーを片手に一息ついていた……。
「一応、無事に終わったわね……」
「……そうだな、ミーナ」
そう呟きながら、コーヒーに砂糖を入れるミーナの側で、美緒はブラックコーヒーを啜りながら、短く言葉を返す。その表情は何処か怪訝そうだ。
美緒のそんな表情を見ながら、ミーナは砂糖の入ったシュガーポットを片手に、彼女に問い掛ける。
「やっぱり、自己紹介中にルッキーニさんを投げ飛ばしたりしたことが気になる?」
「……あぁ」
美緒はそう呟きながら、コーヒーをミーナの机の上に置きつつ、こう言葉を続ける。
「彼が、元
特別奇襲部隊
(
コマンド
)
の小隊長だった事は知っている。だからといって、後ろから飛び掛かって来た奴の顔を見るよりも先に、ナイフを抜いて、応戦するのか?幾ら、後ろから攻撃される事が多い
奇襲部隊
(
コマンド
)
に居たからと言っても、流石にあれはやり過ぎだ……」
美緒のこの言葉に対し、ミーナも「……えぇ」と短くつぶやきながら、こう言葉を続けた。
「確かに幾ら、敵陣のド真ん中で作戦に当たる事が多い特殊部隊の元隊員だからと言って、ネウロイが全く居ない後方の基地で、背後から飛び掛かられただけで、ナイフを抜くのはやり過ぎだわ……。まぁ、彼の場合は、
シェルショック
(
戦争恐怖症
)
の傾向もあるのでしょうけど……」
「部下全員が戦死するのを目の当たりにしているからな……。堪えない方が可笑しい話だ」
「……まぁ、それ自体は彼自身に限らず、他のウィッチやウィザード、兵士でも起きる事だし、決して珍しいことでは無いわよ。だけど、彼の場合は、余りにも異質よ……。まるで戦闘用兵器の様に、何の躊躇いも無かったわ……」
「そうだな……」
そう二人は呟くと、先程のウィーラーの自己紹介で、彼が見せた異常な行動……ルッキーニを本気で刺殺しようとした瞬間を思い返し、黙り込む。
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