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ストライクウィッチーズ 流星の白虎と暴れ馬のウサギ
運命が動き出す時……。前編
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<ウィーラーSide>
303高地の戦い及び、俺の体が人間なのか、機械なのか、分からない存在になってから、暫く経った頃……。

303高地から、そう遠くない場所にある墓地にて、”俺を除く第32小隊の面々”を始めとして、303高地の戦いで戦死した各国全ての兵士、ウィッチ、ウィザード達の追悼式が行われた。
埋葬前の墓穴の前に綺麗にズラリと並べられ、リベリオン、ファラウェイランド、ブリタニア、ロマーニャの国旗が掛けられた棺桶を前にして、俺はリベリオン陸軍・第32小隊の唯一の生き残りとして、陸軍の制服に身を包み、制帽を被り、魔力を発動させ、頭からホワイトタイガーの耳を生やして、参加していた。
まぁ、殆ど軍上層部の命令による強制参加だがな……。はっ、何が「貴官は全滅した第32小隊の指揮官にして、唯一の生き残りだ。指揮官として、生き残った者として、死んだ部下達を見送り給え」だ……。
共に死ぬはずだったのに、一人のうのうと生きている俺の顔なんて、あいつらが見たいと思うのか?
そもそも、今の俺は人間なんだか、機械なんだか、説明しようのないバケモノに近い存在になっちまったんだ……。尚更、あいつらに合わせる顔なんて無いぜ全く……。
おまけに、世間じゃ、俺は「木端微塵に吹っ飛んだ」って言うじゃないか。だから、その「木端微塵」を演出する為に、やる必要もない左腕のギプスやら、包帯を顔の左半分に巻く羽目になってんだから、つくづくやってらんねぇわ!!

そんな俺の胸の内など知る由もないまま、追悼式はプログラムにしたがって、淡々と進んでいく。
「弔砲発射用意……撃てっ!!」
ブリタニア陸軍の音楽隊に所属するウィッチ達の演奏に合わせ、リベリオン陸軍の儀じょう隊指揮官であるウィザードの指示によって、リベリオン陸軍、ファラウェイランド陸軍、ブリタニア陸軍、ロマーニャ空軍のウィザードによって合同編成された、儀じょう隊が弔銃(ちょうじゅう)を放ち、墓地の空気を鋭い銃声が切り裂いてく。
その銃声に混じって、鳴り響く新聞記者達のカメラのシャッター音が止む事無く鳴り響く。
全く……俺は未開の島から、首に縄を掛けられて、連れてこられた新種の動物じゃねぇんだよ……。

大量にとられる写真の被写体として、そんな事を思いながら、ふと記者達の方に耳を傾けると、記者達が俺に関して話している事が聞こえてくる。
「おい、あの顔面の左半分を包帯で巻いているのって、第32小隊の小隊長じゃないのか?」
「あぁ、間違いない……。最初、体が木端微塵になったといわれていた小隊長だ。木端微塵になったというのは、嘘だったみたいだな……」
「そうだとしても、流石に顔の左半分を派手にやられているみたいだな……」
「軍の発表だと、一応、腕の良い医者達のおかげで視力は残っているみたいだが……。何処から、
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