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ストライクウィッチーズ 流星の白虎と暴れ馬のウサギ
運命が動き出す時……。前編
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説明は流斬(りゅうき)君にしてもらうわ」
「あぁ……例の噂の、非公式の飛べるウィザードですか?」
「えぇ。彼が現れた時は、本当に驚いたわ……。貴方以外に飛べるウィザードが居るなんて……」
とまぁ、この会話を聞いてわかる様に、どう言う訳だが、知らないが、”俺の次に飛べるウィザードが出現した”のだ……。

名前は月影流斬(つきかげりゅうき)。扶桑人だが、生まれてすぐにカールスラントに移住している為、扶桑とカールスラントの二重国籍であり、現在はカールスラント軍に所属しているのだが、あくまで”形上”だ。
と言うのも、この流斬と言う奴、”ストライカーユニット無しで飛行できる”というのだ。
いや、そりゃ……「お前は何を言ってるんだ?」となるのは、当然だろう。俺も最初、この話を聞いた時は、そう思ったよ。
だが、現にこの第501統合航空団に自らの脚(?)で飛んできて、今目の前に居るミーナ中佐と出会い、自らの意思で「501に加わりたい」と伝え、それをミーナ中佐が認める形で、此処に居るのだ。
よって、正式な軍属で軍を通じて501に来た俺のとは違い、直接、民間人の立場でありながら、軍を通さずに直接、此処に入隊した変わり者であり、それ故に非公認ながら、飛べるウィザードとしては、2人目にある存在なのだ。
まぁ、さらに細かく言うと、軍の公認・非公認を除いて別けるなら、俺が人体改造手術を受けて、飛べる前から、流斬は飛べていたらしいから、”正式には俺が2人目の飛べるウィザード”になるらしい。
ま……正直な所、一人目だ、二人目だのは、俺には関係ないとは思う……っていうか、どーでも良いがね。

と言った所で、ミーナ中佐がこう話を切り出す。
「まぁ、とりあえず、その流斬君も含めて、私達は家族みたいなものだから、特に硬くならないで。貴方も今日から、家族の一員よ」
「……家族ですか」
そう俺の言葉に「えぇ」と言って、ニコッと微笑むミーナ中佐であったが、俺の口から出たのは、こんな言葉だった。
「ミーナ中佐……貴方の家族には、兵器が居るのですか?」
「えっ?」
「だって、そうでしょ?普通の人間なら、機械の腕なんか持たず、赤い血を持っている。貴方の知る家族っていうのは、そういう物でしょう?だけど、俺は機械の腕を持ち、血は赤ではなく、白色……ハッキリ言って、バケモノと同等だ。こんな奴が、貴方の家族や友人に居たんですか?」
「ウィーラー大尉……」
この言葉に対して、ミーナ中佐は何も言い返せない様子で、何処か困惑と悲しげな表情を浮かべて、俺を見つめる。
これを見て、俺は「ハッ!!」と我に返るなり、すぐさま、こう言い放つ。
「スイマセン、少し愚痴っぽくなりました……」
「い、いぇ……。良いのよ、気にしないで……。私も、もう少し考えるべきだったわ。ごめんなさいね」
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