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ストライクウィッチーズ 流星の白虎と暴れ馬のウサギ
運命が動き出す時……。前編
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何処まで本当なんだか……」
「ま、それを抜きにしても、まさに『英雄』と称するに相応しいケガと戦いぶりだな」
どうやら、俺を写真に撮っている記者達は、俺を世間一般が言っている『英雄』だと思っているらしい……。
はっ……、英雄ねぇ……。アンタ達が思っている様な輝かしい物じゃないぜ……ブンヤさんよぉ……。
別に『英雄』なんぞ、なるつもりもなかったよ……。それなのに、気が付いたら『英雄』何て、肩書が知らぬ間に付いているんだ……。
勝手につけられる方からすれば、たまんねぇよ……クソッタレのアホンダラが……っ!!

記者達の話を横目に聞いていた俺の胸の奥底から、怒りに始まり、呆れや、悲観と言った幾つも感情が混じり合い、何とも言葉に合わらす事の出来ない複雑な感情が湧いてくる。
そんな中、追悼式の司会を担当するリベリオン陸軍の士官によって、追悼式の次のプログラムが始まる。
「皆様、墓地の東上空をご覧下さい。今回の追悼式に合わせ、4か国のウィッチによる合同のミッシングフォーメーションを行います。皆様、ご起立をお願いします」
司会者の声に従い、追悼式に参加する全ての軍・報道関係者を始め、ロマーニャ王室の関係者や、303高地の戦いでなくなった全ての者達に追悼を捧げに来た市民達が席から立ち上がり、黙祷の用意をする中、俺は一人、空を見上げた。
見上げた先には、デルタ編隊を組み、墓地上空へと向けて、飛行する4か国のウィッチ達の姿があり、彼女達が墓地上空に差し掛かった時、俺の被っていた軍帽が風で飛ばされる。
それと同時に、編隊を組んでいたウィッチの一人が天高く上昇し、それと一斉にその場に居た全ての人々が上昇していくウィッチを見つめ、中には黙とうを捧げる人も居る中、俺は、飛ばされた軍帽を追う事も無く、ただ上昇していくウィッチを見つめていた……。

あいつらの魂は、無事に天にたどり着いたのだろうか……。
もし生き残った俺を恨むのなら、恨んでくれ……。
俺はあいつらの元に行く資格なんて無い人間なんだ……。
ふっ……そうか、それ以前に、俺はもう普通の人間じゃなかったな……。
今の俺は機械製の体で、白い血の流れるバケモノだ……。
そうさ、俺はバケモノだ……。
バケモノが天国なんかに行く資格なんか無い……。

そうだろ、お前ら?

上昇してくウィッチにベイカー達の事を思い重ねながら、俺は胸の内で呟く……。
そう呟きながら、再び見上げた空には、上昇していくウィッチのストライカーが天に召されるベイカー達の魂を表すかの如く、太陽の光を反射させ、輝いているのだった……。





……

………



欧州へと向けて、航行を続けていたリベリオン海軍の空母サラトガの一角に居ある欧州へ赴任する兵士達を載せた居住ブロックに、担当士官の
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