第33話 ロナウディア星域会戦
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翼を牽制して背後へと回り込まれるのを封じると共に、中央部に攻撃を集中させて艦列を崩す。
時折、中央突破の気配を見せることで、帝国軍の動きを牽制していた。
「ちっ、上手く手を打つものだ……これでは両翼を伸ばしきれん。それに、あの一点集中砲撃………下手に満遍なく砲撃するより余程効果的だな」
「ですが、このままではこちらの消耗も大きくなり過ぎます。何かしら手を打つ必要があると思いますが……」
「無論だ、手は有る。敵は現状に全力を傾けているからな。ここで放たれる新たな一撃を受け止める余力はあるまい」
「では……」
「うむ、全面攻勢を掛ける。各艦隊は敵の分断を第一とせよ。ある程度分断できたら、ハルバーシュタットとホフマイスターに敵本陣を襲撃させる。………これでチェックだ」
帝国軍の全面攻勢に、たちまちルフェール軍の陣形はズタズタに寸断されていった。
「第一、第四独立部隊……壊滅!」
「第二、第十三、第十四艦隊の戦線が崩壊しました!」
「バンディーク中将の艦隊が800隻にまで撃ち減らされています!」
「第三独立部隊、旗艦ヘイオス撃沈!」
「第二独立部隊、損傷率50%を超過!」
各所から上がる被害報告が、ルフェール軍総旗艦トイホーレへと入ってくる。
その損害は、余りに大きかった。
そこへ、最悪の報告が入ってくる。
「敵、ハルバーシュタット、ホフマイスター艦隊が前進を開始しました!」
「いよいよ最終局面ということか………ハルバーシュタット艦隊には第一艦隊を、ホフマイスター艦隊には第五独立部隊を当てて対処しろ」
「耐えきれますかな……」
「おそらく、第五独立部隊の方は難しいだろう。戦力差に倍以上の開きがある上、あれは寄せ集めの混成部隊だからな。だが……やらねばこちらが全滅する。ウィッカム中将の手腕に期待するしかない」
第五独立部隊は数だけは6000隻と半個艦隊分あるものの、そのほとんどが旧式艦、警備艦・哨戒艦から成り立っている。
また、急遽編成して即実戦投入という状況から錬度など求めるべくもない。
だが、第五独立部隊を指揮するエリザ・ウィッカム中将は、この烏合の部隊を良く纏め奮戦していた。
「戦艦を左舷に配置して敵の攻撃を防げ! 敵の砲撃が止んだら、砲艦にて狙撃。それと、全スカイキープ級で敵中央部に集中砲火」
この時、第五独立部隊はスカイキープ級戦艦を百隻近く保有していた。
これは、スカイキープ級の鈍重さを嫌った各艦隊の司令官が厄介払いとばかりに押し付けたため、第五独立部隊にはルフェールに存在する全てのスカイキープ級が配備されていたのである。
2000メートルの巨体から繰り出される砲撃の威力は凄まじく、主砲の一撃で直線状にいたる帝国軍
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