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或る皇国将校の回想録
第四部五将家の戦争
第七十二話 龍塞の裏で糸を紡ぐ
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、という事だ。どれも変えられん、後はどのように解釈するか、だ」

 一人、部屋に残った草浪は“これから”についてその頭脳を巡らせながら自分達を”見降ろして”いるであろう者達が声も頭の中も覗けない、という事実に感謝した。
 計算と意地と情と惰性の混合物が己を含めた世間というものである、という事実を認めながらも恥じるだけの気分ではあった。少なくとも異国の者に見られるのであれば。

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