犯行はバカンスの後で?
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しがアローラの怪盗として、その役目を果たさないといけない。……そうだよね。
【それでこそ、スズの見込んだ『怪盗』の在り方です。では少し待っていてくださいね。ルートを調べますので】
来ていたワンピースを脱ぎ捨て、スーツケースの中にスズが勝手に詰め込んでいた怪盗としての衣装に着替える。黒の薄い生地で出来た、袖は長いけど体の動きを制限しないデザインはとても気に入ってる。あとは口元を隠せるストールに、スズの指示を聞くための小型のイヤホンをつけて、腰に仲間たちの入ったモンスターボールを用意すればわたしの準備は完了。
時間はもう夜。怪盗が忍び込むには悪くない。
「レイもせっかく楽しみにしてたのに残念だけど……いつもみたいに、わたしを助けてくれる?」
ボールの中からわたしの相棒、ツンデツンデを出す。わたしよりも、遥かに大きな体に見えるそのポケモンは、実は魚群のヨワシのような小さなポケモンの集合体だ。ブロックの一つ一つが意思を持って大きな煙突の形になったり壁になったりできる。喋ることはできないけど、自身を赤や青に発光させることで意思表示をしてくれる。
怪盗になってからも、その前からもいろんなことでわたしを助けてくれた、特別な相棒なんだ。
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わたしと向き合う体の〇部分が青く光って、大丈夫のサインをしてくれる。わたしも石垣のような体をそっと撫でて感謝を伝えた。
【シャトレーヌの部屋までのルートを検出しました。オペレーション、およびツンデツンデとの相互リンク開始……いつでもいいですよ】
わたしには直接言葉での指示を、ツンデツンデにはデータでのやり取りを行う準備をしてくれる。
窓を開けて、ベランダに出る。ツンデツンデの姿が、ブロックを組み替えるように空飛ぶ絨毯みたいな薄く波打つものに変わっていく。
「それじゃ行こう、レイ。目指すは島の中心、バトルシャトー!」
レイに飛び乗って夜の空を駆けだす。レイはただ空を飛ぶだけじゃなくて、『トリックルーム』や『ワンダールーム』といった空間を歪める能力を持っているから飛んでいる間、他人から見られることはない。
シャトーにつくまでは相棒に任せて、わたしは改めてリゾートの町を眺める。
「こんなにたくさんの人……初めて見てかもしれない」
【もともと人気のリゾート地に、珍しいバトルの大会まであるわけですから。島の面積はアーカラ程度ですが、人口密度が比ではありません】
アローラでも島キャプテン同士のバトルや、怪盗が現れる日は人が集まる。でもそれはあくまで一か所に固まる、ということ。
だけど、このリゾート地ではどこもかしこも人だらけ。アトラクションを楽し
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