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戦闘携帯のラストリゾート
犯行はバカンスの後で?
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多いですからねえ……『模犯怪盗』とかもう一人の方の姉とかアーカラの島キングとか」
「う……確かに、そうだけど」

 そう言われると否定できない人達がいる。でもそれだけで納得する気にはなれない。

「スズとしても、ちゃんと事情を話したうえでそれらの面々を遠ざけるようにしようかとも思ったのですが……シャトレーヌの方からどうしても秘密にしたいと仰いましてね。何せこのバトルリゾートは安全にはとにかく気を遣っています。到着早々バレットパンチで殴られるようなことなど絶対にありえませんし、ちゃんと楽しめる時間を用意します!と豪語されてしまいましてね」
「なんでバレパン……?」

 その技はわたしのポケモンも得意だけど人に直撃したら普通に骨が折れるレベルの技だ。先制技で威力が低いというのはポケモン同士の技のぶつかり合いだから言えるのであって鋼の塊が電光石火のような速度で飛ばすのはそもそも人に向ける技じゃない。

【ポケモンバトルが禁止されて以降、異なる地方間でポケモンバトルが行われた前例がない。という事情もありまして。盗むのに必要な手筈もこちらで準備してありますしあくまで大会を盛り上げる余興として怪盗に来てほしいと】
「余興……それってもしかして」
【そうですね、向こうの提案では、半ば八百長に近い形になります。ただスズの口から本気で戦わせますとは管理者の立場として言えませんから……騙したこと、本当にごめんなさいね?】

 スズの声が本当に申し訳なさそうになる。地方同士でどういう関係なのかはわからないけど……スズだって世界一偉いわけじゃないんだし、仕方なかったのかもしれない。

「いいよ、許してあげる!代わりに、一つ我儘を言わせてもらってもいいよね?」
【聞きましょう】

 とはいえシャトレーヌという人に騙されたことに変わりない。スズは管理者としては本気で戦わせると言えなかった。なら。

「今からバトルシャトーに忍び込んで招待してきた人に直接予告状を出す!バトル大会にもエントリーしてなんなら盗むまでもなく実力で優勝して宝を手に入れられるってところを見せつけて、アローラの怪盗っていうのがどういうものかしっかりわかってもらわなきゃ。バカンスなんて言ってられないよ!」
【……ふふ、そう言うんじゃないかと思いましたよ】
「勿論!相手が盗ませるために気を配って、手を抜いてるところを盗むなんて……そんなの怪盗の仕事じゃないもの。それじゃあシャトレーヌの部屋まで行く順序、きっちりナビゲートしてもらうからね!」

怪盗というのは価値あるものを奪うために居るんじゃない。本気で用意された警備や宝を守る強敵を掻い潜って盗み出してこそ泥棒でも強盗でもなく怪盗なんだ。
わたしはまだ一人前じゃないかもしれないけど……でも、こうしてきてしまった以上はわた
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