外伝〜隻眼の決意〜
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る。そしてボクの祖国と同胞にも同じように誇り高くあってほしい。できれば先生にもその理想に協力して欲しいんだ。
ゼクス、お前はお前で決めると良い。今回の戦争でお前の”ヴァンダールの剣”を誰の為に振るうのかを。
「(申し訳ございません、オリヴァルト皇子…………)………………………………アルフィン皇女殿下、一つだけ確認させてください。」
2年前の”ある出来事”――――――”リベールの異変”で知ったオリヴァルト皇子の決意と兄マテウスとの秘匿通信で伝えられたある言葉を思い返したゼクス中将は心の中でオリヴァルト皇子に謝罪をした後静かな表情でアルフィンに問いかけた。
「何でしょうか?」
「皇女殿下はこの戦争でエレボニアが敗北すれば、エレボニアはよくて衰退かメンフィル・クロスベル連合の隷属国、最悪は”エレボニアという国が滅亡する事”を覚悟の上でメンフィル・クロスベル連合に協力していらっしゃるのでしょうか?」
「そうならない為にもわたくしはリィンさん達と共にエレボニアと戦っていますが…………ユミルの件でのメンフィル帝国に対する賠償をする為にエレボニアが衰退する事もそうですが最悪はエレボニアが滅んでしまう事も覚悟の上ですわ。――――――わたくしが犯したメンフィル帝国への罪を償う為…………そして”エレボニア皇女としての最後の義務”を果たす為にも、わたくしは今ここにいます。」
ゼクス中将の問いかけに対してアルフィンは決意の表情で答え
「………………………………。…………オリヴァルト殿下に続いて皇女殿下も大きくなられましたな。今の皇女殿下を知れば、皇子殿下もそうですが陛下達も喜ばれるでしょうな。」
「フフ、幸か不幸か内戦で鍛えられましたし、お兄様のように心から信頼できる仲間ができましたので。」
「フフ…………そうですか。……………………了解しました。今から機甲師団の者達に事情を説明して判断を委ねますので、それを聞いてもなお私と共に祖国に反旗を翻す覚悟のある者達でよろしければ、協力させてください。」
「あ……………………感謝いたしますわ、ゼクス中将閣下…………!」
その後アルフィンとの通信を終えたゼクス中将は全軍を招集して演説を始めた。
「――――――先程行方不明であったアルフィン皇女殿下ご自身より通信が来た。」
「ア、アルフィン皇女殿下が中将閣下に!?」
「それで皇女殿下は今どちらに!?」
ゼクス中将の発言に軍人達はそれぞれ血相を変えて互いの顔を見合わせたり、ゼクス中将に質問したりした。
「皇女殿下は内戦時ご自身の身を狙い、メンフィル帝国の領土であるユミルを襲撃した貴族連合軍の愚行の原因はユミルに潜伏していたご自身にもあると判断され、その責任を取るためにメンフィル帝国の要求通り自ら身分を捨て、襲撃された領土の領主の息子にして去
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