外伝〜隻眼の決意〜
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を理由にメンフィル・クロスベル連合、そしてリベールの征伐を宣言する理由にした大事件――――――”アルスター襲撃”とお父様――――――”ユーゲント皇帝銃撃事件”はどちらも、三国の関係者は一切関わっておらず、三国――――――いえ、このゼムリア大陸という”世界”を飲み込もうとするオズボーン宰相を始めとした帝国政府に関わる者達の凶行です。」
「!!…………それは…………ちなみに皇女殿下も”ハーメル”の件をいつお知りになられたのですか?」
「わたくしがエレボニアを出奔し、メンフィル・クロスベル連合と行動を共にしている際に知りましたわ。――――――オズボーン宰相と関りがある人物に雇われた猟兵達から”アルスター”の民達を守る戦いの後で”ハーメル”の件を知る方に教えて頂きましたわ。」
「そうですか………………………………」
「ゼクス中将閣下。祖国に刃を向けたわたくしにはこんな事を問いかける権利はないかもしれませんが、それでも問わせてください。――――――12年前に起こした”ハーメル”に飽き足らず、自国を繁栄させる為に”第二のハーメル”を起こそうとし、大恩ある友好国には仇で返し、そして今こうして自国の民達を苦しめている帝国政府の判断は正しいのでしょうか?」
アルフィンの問いかけを聞いたゼクス中将はふと、2年前の”ある出来事”を思い返した。
先生、あなたも本当は気付いているはずだ。唐突すぎる蒸気戦車の導入……。そして不自然極まるタイミングでの出動命令……。全ては”鉄血宰相”ギリアス・オズボーンの描いた絵であることを。
!!
今回の事で確信したよ。彼は間違いなく”身喰らう蛇”と通じている。その事が、帝国にとってどのような影響をもたらすかは何とも言えないが。いずれにせよ、一国の宰相にふさわしい振る舞いではあるまい?
………………………………。皇子、まさか貴方は……
フフ、そのまさかだ。10年前に頭角を現して帝国政府の中心人物となった軍部出身の政治家……。帝国全土に鉄道網を敷き、幾つもの自治州を武力併合した冷血にして大胆不敵な改革者。帝国に巣食うあの怪物をボクは退治することに決めた。今度の一件はその宣戦布告というわけだ
……何ということを。皇子、それがどれほど困難を伴うことであるのか理解しておいでなのか?
そりゃあ勿論。政府は勿論、軍の7割が彼の傘下にあると言っていい。先生みたいな中立者を除けば反対勢力は衰え始めた諸侯のみ。さらにタチが悪いことに父上の信頼も篤いときている。まさに”怪物”というべき人物さ。
ならばなぜ……!
フッ、決まっている。彼のやり方が美しくないからさ。
!?
リベールを旅していてボクはその確信を強くした。人は、国は、その気になればいくらでも誇り高くあれ
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