外伝〜隻眼の決意〜
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軍人達に指示をした後レクター少佐の制止の言葉を無視してその場から離れてある場所――――――大がかりな通信機が設置されている場所へと向かい、通信を開始した。
「――――――お待たせしていまい申し訳ございません、アルフィン皇女殿下。」
通信機の映像に映っている通信相手――――――アルフィンに対してゼクス中将は頭を下げ
「いえ…………こちらこそ、皇女でありながら祖国を裏切った愚か者であるわたくしの通信に応えて頂き、心より感謝致します、ゼクス中将閣下。」
頭を下げられたアルフィンは謙遜した様子で答えた。
「…………皇女殿下には深い事情があって、国を出て現在メンフィル・クロスベル連合と行動を共にしている事や、オリエ殿やクルトも皇女殿下の御身をお守りする為にメンフィル・クロスベル連合と行動を共にしている事は兄マテウスより伺い、私は皇女殿下の深い考えも理解しておりますので、どうかそのような事を仰らないでください。」
アルフィンの言葉に対して頭を上げたゼクス中将は静かな表情で通信を続けた。
「…………寛大なお心遣い、感謝致しますわ。」
「それで私に用があるとの事ですが、一体何の御用でしょうか?」
「――――――単刀直入に言いますわ。ゼクス中将閣下、オズボーン宰相を始めとした帝国政府の暴走を止める為にもどうか、貴方達第三機甲師団もミルディーヌ達のようにわたくし達に協力して頂けないでしょうか?」
「!!…………皇女殿下は私がメンフィル・クロスベル連合の侵略を阻む帝国軍の”将”の一人であると理解し、”敵”に寝返ろと仰っているのでしょうか?」
アルフィンの言葉を聞いてアルフィンが自分を含めた第三機甲師団をメンフィル・クロスベル連合側に寝返らせる説得をしようとしている事を悟って目を見開いたゼクス中将は重々しい様子を纏ってアルフィンに問いかけた。
「…………はい…………無理を承知で、こうして連絡をさせて頂きました。」
「…………皇女殿下に対して無礼を承知で申し上げますが、幾ら皇女殿下の頼みであろうともその頼みには応じられません。我々正規軍は祖国を守る為に存在しているのですから。」
「その正規軍が帝国政府の命によって本来守るべき民達から略奪や人攫いを行い、更には民達の家まで焼き払っているにも関わらず、帝国政府の判断は正しいと中将閣下は思っていらっしゃっているのでしょうか?」
「!!…………”焦土作戦”の件も既にご存知でしたか…………」
アルフィンが第四機甲師団が”焦土作戦”を行っている事を知っている事に気づいたゼクス中将は目を見開いた後複雑そうな表情を浮かべた。
「――――――ゼクス中将閣下。”ハーメルの惨劇”を存じている中将閣下でしたら、薄々と気づいていらっしゃっていると思いますがつい最近に起こり、帝国政府がその件
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