第九章
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神父は姿を消した、すると力のカードから出た獅子は噛む相手がいなくなり虚しく地面に降り立った。獅子は即座に主である速水のところに戻りそうして彼と司祭を護って身構えたが速水は目だけで周りを見回しつつ司祭に言った。
「気をつけて下さい」
「今彼は姿を消しましたね」
「どういった邪法か知りませんが」
「姿を消しただけではない」
「ここで逃げる相手とは思えません」
「それでは」
「何かをしてきます」
必ず、とだ。速水は言葉の中にこの単語も入れた。
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