第五章
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「誰かいい人と結婚して家庭持って」
「子供も作って」
「そう、そしてね」
それでというのだ。
「少子化対策にも貢献するのよ」
「そうしないと駄目かな」
「そうよ、いいわね」
「いい人いるかな」
「お見合いとか婚活とかあるでしょ」
そうしたことがというのだ。
「そっちに行けばいいのよ」
「この顔でもてるかな」
「人間顔じゃないでしょ」
「よくそう言われるけれど」
「確かに生活はだらしないけれど」
それでもとだ、彩加は耕太に言った。
「人に暴力振るわないしお酒や煙草好きでも溺れてないしギャンブルとか麻薬の中毒でもないし」
「後の二つははじめた時点でアウトじゃ」
「一応生活は普通だから」
例えどれだけいい加減でもというのだ。
「だらしないレベルで止まってるから」
「いいんだ」
「屑とまではいかないから」
「いいの」
「そう、だから近いうちにね」
すき焼きの椎茸を食べつつ言った。
「頑張りなさい」
「結婚の方もだね」
「努力しなさい」
「結婚出来るかな」
「するの、私だって結婚してここ出るつもりだから」
それでというのだ。
「ずっと一緒にいられないから」
「またコンビニ弁当やインスタントばかりでお酒や煙草三昧とか」
「絶対なるから」
兄の性格を見抜いての言葉だった。
「お風呂も歯磨きも週一の」
「それでそんな生活だと」
「絶対によくないから」
「彩加が結婚する前になんだ」
「結婚するのよ、いいわね」
こう言って今度は葱を食べた、そうしつつ兄に今度は何を食べろとか酒は飲み過ぎるなと言っていた。彩加は退院しても彩加であり兄は内心口煩いと思いつつもそれでも二人でいるといいとも思っていた。
しょうけら 完
2019・10・25
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