第一章
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しょうけら
藤浪耕太はこの時自分の勤務先であるハチジョウグループが運営している科学研究所で同僚達と研究に勤しんでいた。
それで中学の教科書に載せるべき研究をしていたが急にだった。所長からこう言われた。
「藤浪君、妹さんの学校から連絡が来てるよ」
「学校からですか」
「うん、お兄さんつまり君に連絡があるってね」
「妹のことで、ですね」
連絡の内容はもう考えるまでもなかった。
「それで、ですね」
「そうだろうね、やっぱり」
妹の彩加の学校からならというのだ。
「それは」
「ですね、あいついじめや万引きはしないですが」
正義感は強いのでそちらの心配はない、むしろ止める方だと兄として考えた。
「気が強いから喧嘩したかも知れないですね」
「君いつも言ってるね」
「はい、とにかく気が強くて」
「口煩いんだよね」
「そうなんです」
そうした妹だというのだ。
「ですからそのせいで」
「喧嘩になったとかだね」
「そうじゃないですかね、暴力はよくないです」
耕太は若し妹がそれを振るったならと思ってこうも言った。
「それは」
「そうだね、そのことは」
「全くですよ、じゃあ」
「これからだね」
「電話に出ます」
こう言ってだった、耕太は喧嘩だろうなとか思いつつ電話に出た、すると学校側妹の担任が言うことは彼の予想とは違い。
妹が体育の授業で怪我をして病院に運ばれたというものだった、それで事態は深刻だと思った耕太はすぐに所長にことの次第を話した。
すると所長は彼にすぐに告げた。
「もうすぐにだよ」
「すぐにですね」
「妹さんのところに行くんだ」
病院に担ぎ込まれた彼女のところにというのだ。
「いいね」
「そうします、別に命に別状はないそうですが」
「けれど怪我で病院に運ばれるとなると」
「かなりのことですからね」
「だからだよ」
まさにというのだ。
「すぐにね」
「行くべきですね」
「そうしてあげなさい、今から君は今日は公休扱いにするから」
「すいません、じゃあ」
耕太は野暮ったい顔と外見で所長に応えた、そして自分が運転する車で妹が運び込まれた病院にすぐに向かった。病院は妹が通っている八条学園高等部の近くにある八条病院だ。経営者の一族は学園の経営者と同じ八条家で世界的な企業グループの経営者一族だ。
耕太はその病院に急いで入って妹の病室に行った、すると妹は入院する患者の服を着てベッドの中にいて背中を起こしていたが。
両手両足が見事にテープを巻かれていた、耕太は妹のその姿を見て言った。
「何があったの?」
「ハードルに思い切りつっこんで派手にこけたのよ」
彩加は苦い顔で答えた。
「それでなのよ」
「両手両足がなんだ」
「
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