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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica57はやてとルシリオン
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けやなくて他のお墓の周辺も綺麗なもんや。お墓を眺めてると「待たせたな」ルシル君が戻ってきた。
「おおきに! じゃあお言葉に甘えて、一緒に父さんと母さんを綺麗にしてくれるか?」
「当然! お父さん、お母さん、失礼しますね」
ルシル君が父さんと母さんのことをそう呼ぶから、私とルシル君が結婚したみたいや。なんて考えたら、ルシル君との結婚生活イメージがぽわぽわ〜と脳裏に浮かぶ。そやけど「今とあんま変わらへんな〜」苦笑した。一緒に暮らしてるし、脚が不自由になる前はご飯も一緒に作ってたし。さすがにお風呂や寝室は一緒せぇへんけど、家族として過ごしてた。あの当たり前が幸せやったんや。
「何が変わらないって?」
「ふえ!? あ、いや! なんでもあらへんよ!」
ルシル君と一緒に屈んで、お墓に手を合わせる。そんで掃除開始とお墓参りや。墓石を綺麗し終えた後は、花立てには花束を、お供え物は懐紙を敷いてから供え、線香に火を点ける。
「なんや不思議やね」
「ん?」
「ルシル君との出会いは、かなり奇跡的やなって思うたんよ。もし父さんと母さんが事故で亡くならずに元気でおった場合、私とルシル君があのスーパーで会うこともなかったはずやろうし、家に誘わへんかったと思う。シグナム達――夜天の書は、父さん達が生きてた頃にはあったから、きっと会えた。すると自然になのはちゃん達とも会えたはず。そやけどルシル君は・・・」
「おそらく会ったとしてもすれ違うレベルで、知人にすらならないと思う」
「うん。だから父さんと母さんがひょっとして、私とルシル君を引き合わせてくれたんかな?って・・・。まぁ男の子やったのは、当時のルシル君は完全に女の子みたいやったから、かな?」
最初はルシリオンちゃんって、私も呼んだしな。あの当時のルシル君の性別を初見で当てることなんて出来ひんよ。私のその話にルシル君も「否定はしないよ。長髪だったし、体も幼かったしな!」笑い声を上げた。
「父さんと母さんが亡くなったのは悲しいし寂しいけど、ルシル君やシグナム達が私の孤独を埋めてくれた。ホンマに感謝してるんよ」
「俺も、はやてには感謝しているし、今もし続けている。あの時、俺を誘ってくれて、家族にしてくれて・・・ありがとう」
「・・・さっきの約束・・・」
私はルシル君の後ろに回ってギュッと抱きしめた。ルシル君は静かに受け入れてくれた。
「あぁ、ちくしょう、死にたくないな・・・」
「ルシル君・・・?」
顔を近付けてたのにルシル君の呟きが聞こえへんかったから、「いま何て言うたん?」聞いてみた。すると「まるで母親に抱き締められているようだな、って」小さく笑った。
「おっと。私はルシル君のような大きな子供を産んでるような歳やないよ〜?」
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