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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica57はやてとルシリオン
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めにスライドドアの側のタッチパネルに触れようとしたら、ドアの方が先に開いてすずかちゃんが出迎えてくれた。

「今日はトランスポート使わせてもらっておおきにな、すずかちゃん」

「ううん、気にしないで。技術を使わずに埋もれさせるより、どんどん使った方がいいんだから。えっと、まずは着替えからだよね。ロッカーまでちょっと遠いから、はやてちゃんはトランスポート室で、ルシル君はここで着替えてもらおうかな」

そう言いながらすずかちゃんは入り口のドアをロックし直して誰も入れないようにした。わたしにトランスポート室を宛がったのは、ルシル君は自分で着替えるやろうから脱いだ服などを置く場所が近くに必要やからかな。

「ルシル君、着替え手伝おうか?」

「ありがとう、はやて。でも大丈夫だよ」

わたしから受け取ったバックを膝の上に置いたルシル君はジャケットを脱いで、シャツのボタンを外し始めた。その様子をまじまじ見てると、「はやて、すずか。男の着替えを見て楽しいか?」ってルシル君がニヤニヤ。

「「ご、ごめん!」」

ルシル君にからかわれてるって判ってたけど、私とすずかちゃんは慌てて隣のトランスポート室に入った。鼓動が早くなってる胸を両手で押さえ、「わ、私も着替えんとな」こほんと咳払い。

「う、うん。あ、昨日預かった服持ってくるね」

キャスター付きのハンガーラックを近くにまで持ってきてくれたすずかちゃんにお礼を言う。今日のために選んだのは、ボウタイブラウスにキュロットにストッキング、あとPコートとブーツとベレー帽や。

「脱いだ服は貸してね。責任を持って預かっておくから」

「おおきにな、すずかちゃん」

脱いだジャケット、タイトスカート、ブラウス、タイをすずかちゃんに預け、ハンガーラックから服を取って着てく。

「・・・はやてちゃん」

「ん? なに、すずかちゃん?」

「あ、えっと・・・頑張って!・・・って、そんなことしか言えないけど。私も、ルシル君をこのまま亡くしたくないって思う。エグリゴリを斃すためだけに生み出され続けるセインテストシリーズ。でも勝ったら勝ったで、今度は世界に影響を及ぼさないために自壊するなんて。こんなの惨すぎる・・・。だってそれじゃルシル君は・・・」

「死ぬために生まれてきた・・・」

生命である以上、人もいずれ死ぬ。寿命、病気、事故、事件。どんな理由であれ必ずや。私たちもいずれ死ぬ。そやけどそれは生きるために一生懸命生きて、その結果ってことや。ルシル君のは特別すぎる。自分の死を自分の手で起こす。しかもそれが他人に定められたものやって自覚しながら。

「私も、ルシル君がこのままでええとは思わへん。せめて幸せの中でルシル君を・・・。『ルシル君。着替え終わった?』」

ハン
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