本編番外編
入れ替わりシリーズ
入れ替わりの話・弐
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お願い山中殿、固まってないで元に戻って!! 私じゃこの子を止められない!!
もうやだ、泣きそう。彼女の言っていることの半分しか理解できないけど(というか理解したくないだけだけど)、なんか放置したら不味そうなことだけは分かる。
「昔は敵同士で、今は上司と部下。この設定での妄想だけでご飯三杯はいけるのに、現実はそれ以上とか! やっぱり公式こそが最大手なのよ! 私の眼に狂いは無かったわ!」
いや、君の目は色々な点で狂っていると思うよ。
心の中でそんな事を思うも、興奮している彼女にはどうやら届かなかった様だ。
「――こうしちゃいられない、早く原稿に取りかからないと!! そして今度こそミト様の妨害に引っ掛からない様にしないと!!」
「止めて許して! 羞恥で死ねる!」
「お邪魔しました、火影様にマダラ様! 私のことなどお気に為さらず、存分にいちゃついてください! どうかお幸せに、それからごちそうさまでした!!」
「誤解なんだってばー!」
もう止めて! 私のライフはもうゼロよ! いつか使ってみたいと思っていた言葉をこんな場面でいう羽目になるなんて、世の中本当に分からない。
怒濤の勢いで立ち去っていった彼女の背中を見送って、その場で膝を付く。
「――……何か色々な意味で終わった、私の人生……」
「大丈夫ですわ、あの娘には後で私がじっくりと“お・は・な・し”させてもらって、綺麗さっぱり先程の光景を忘れてもらいますから」
「ミト……」
「そもそも私の大事な柱間様があの様な輩の妄想の餌食になるなんて、六道仙人が許しても私が許しませんから。どうかご安心くださいな」
にっこりと微笑んだミト(ただ以下略)が格好良すぎて胸がときめく。
私が本当に男だったら間違いなくお嫁さんにもらったのに。
――――しかし、我々の不幸はここでは終わらなかった。
「ま、まさか……。まさか、柱間殿とマダラ殿が――そのような関係だったなんて……!」
「や、山中殿!」
くのいちちゃんが去るまで一言も口を開かなかった山中殿が、呆然とした表情のまま口を開く。
縹色の瞳があちらこちらを彷徨っている様からして、表面上は兎も角――かなり彼が混乱している様だ。
「生きるか死ぬかの瀬戸際たる戦場では、そのような気の迷いを起こす者も少なくはないと伺ってはいたが――まさか、先程の彼女が言う様に、お二人がそうした関係だったなんて……!」
「ひえええええ!!」
あのくのいちちゃんはなんて事をしてくれたんだ!! いつもは冷静で穏やかな山中殿が、山中殿がぁ……っ!
「伝え聞いた所によれば、確か千手とうちはは代々続く因縁のある一族同士。それが、両一族の頭領同士が、まさか、そんな……!」
「違う!
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