序章
開眼
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《永遠レイア》と《エンド・プロヴィデンス》は修業の為に黒鋼へ来ていた。
それが出来ないなら家へ帰るしかない。
《白鋼水命/しろがねすいめい》は向こうで引き取っても構わないそうだ。
自身の目の前で進む話に《黒鋼焔/くろがねほむら》は思い悩む。
このままでは闘技者としての孤独を消し、自分を満たしてくれた二人が居なくなってしまう。
二人は気にしていないのだろうが両親を救ってくれた彼等に何も返せていない。
心にポッカリと大きな穴が空いてしまったような気持ちに陥った焔は気付く。
この二人が好きだ。
失いたくない。
傍に居てほしい。
そう思う彼女の目から自然と涙が溢れて零れ落ちると大きな変化が起きる。
「焔……?」
「!」
「その目は!?」
《黒鋼弥以覇/くろがねやいば》
《黒鋼燐/くろがねりん》
《黒鋼錬/くろがねれん》
祖父や父母は驚いた。
「黒鋼の本に有った通りだ」
エンドは思い出す。
赤い虹彩に浮かぶ黒い巴と漆黒の瞳孔がもたらすは比類無き眼力と絶無の瞳術。
その名を【写輪眼】と云ふ。
完成形は巴が三つらしい。
しかし焔に目覚めた写輪眼は両目の虹彩こそ真紅なものの、巴は片目に一つだけ。
「未完成じゃが間違いないの」
弥以覇が十代の頃、自身の祖父に聞いた話によると、祖父の父が巴三つの写輪眼を持っていたのだが、黒鋼で写輪眼に目覚め完成させた人間は彼が最後だったらしい。
時代を遡るほど写輪眼を有した血族は多かったと黒鋼の古文書には伝わっている。
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100年以上も生まれていない写輪眼の所有者となった焔は両親と祖父に対しレイアとエンドから彼等が使う技術や理法を学びたいと直談判。
それは了承されるが条件として、燐や錬も二人の弟子になることとなった。
「いや、それは構わないんですけどね」
「ボク達もずうっと此方に居るわけにはいかないので向こうと此方を行ったり来たりしますから時々居なかったりしますよ?」
その結果、錬と燐も写輪眼に目覚め、黒鋼流体術を更に向上させ、【魔晄】ではないエネルギーを扱えるようになった。
焔に到っては【万華鏡写輪眼】の代わりに巴が四つの【四星写輪眼】を覚醒させ、万華鏡写輪眼の固有瞳術まで身に付ける。
黒鋼の写輪眼に関する古文書曰く、万華鏡と違って失明の心配は無いらしい。
(親戚筋の[うちは一族]が抱えていた万華鏡の苦労は一体なんだったんだ)
突っ込んでも意味は無いのでエンドは黙っておいたが残酷な話だ。
うちはは出来るだけ近しい
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