第六章
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「どうにもなくなるでしょう」
「粕チームになるのね」
「白米は美味しいですが」
稲穂はここで言葉遊びをした、白米という文字の順序を替えてそして一文字にするとどうなるかというのだ。
「粕も粕で非常に使えるものであっても」
「そっちの粕は使えないのね」
「はい、本物のカスです」
それだというのだ。
「やがて巨人はそうなります」
「やっぱり王道が一番ってことね」
「そしてご飯をこうした時に食べるとなると」
「お握りね」
「やはりそれということになって」
それでというのだ。
「決まりました」
「成程ね、じゃあ今から」
「お握りを食べましょう」
こうしたことも話してだった、そのうえで。
稲穂達は赤い米と黒い米のお握りを待った、やがて稲穂の母娘にそっくりの彼女がそのお握りを持ってきた。それを見てだった。
稲穂達はそれぞれ言った。
「何といいますか」
「やっぱり違うわね」
「お米の色が違うだけでね」
「どうもね」
「違う食べものに見えるわね」
「わたくしも作ってみて思いました」
稲穂の母も同席して述べた。
「握っている時に」
「わたくしが握りましたのに」
「稲穂さんはお友達のお相手がありますので」
だからだとだ、母は娘に答えた。
「ですから」
「いいのですね」
「この度は」
「それで、ですのね」
「わたくしが握らせてもらいました、では」
「これよりですね」
「皆で食べましょう」
「それでは」
二人でこう話してだ、そしてだった。
稲穂達はいただきますをしてから全員でそれぞれ一個、赤と黒が一個ずつのお握りを手に取った。そうして食べてだった。
稲穂はどちらのお握りも食べてからこう言った。
「何といいますか」
「違和感あるわよね」
「はい、白いご飯とはです」
雅美に対しても答えた。
「違いますね」
「そうよね」
「同じお米でも。こちらはこちらで美味しいですが」
それでもというのだ。
「やはり第一は」
「白いご飯かしらね」
「はい、麦飯や玄米、五穀や十六穀ご飯とはまた違う」
まさにというのだ。
「そうしたもので」
「食べて美味しいにしても」
「少なくとも今の私達にとっては」
どうにもというのだ。
「いつも食べるものにはです」
「なれないわね」
「そう思いました、若しかして」
こうもだ、稲穂は言った。
「この味がです」
「当時の人達にもね」
「奈良時代の」
「やっぱり白米が一番美味しくて」
それでというのだ。
「そちらが第一になったのでしょうか」
「そうかも知れないわね」
「食べてみてです」
その赤い米と黒い米を実際にというのだ。
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