第一章
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赤米黒米
二階堂稲穂の家は新潟の農家それもかつては大地主であり今もかなりの面積の水田を持っている。その資産はかなりのものだ。
黒髪をロングにしていてお嬢様然とした顔立ちであり奇麗な眉と楚々とした口元が印象的だ。背は一六〇程で胸は大きく張りがあり脚は黒ストッキングで覆い髪の毛の左のところに赤いリボンを付けている。
だが今彼女は友人達に自分のクラスで必死に頼まれていた。
「二階堂さんお願い」
「ここは私達を助けて」
「お金はあるから」
「お話は聞きました」
稲穂は整った声で応えた。
「皆さんお昼のお弁当をですね」
「そうなの、育ち盛りでね」
「二限目終わった時に食べちゃって」
「お昼ないの」
「二階堂さんのお家農家でね」
「お握り屋さんもやってるわよね」
「はい、新潟駅等の前で」
そこでとだ、稲穂は友人達に答えた。
「有り難いことに好評です」
「そうよね、この学校でもお店出してるし」
「それでね」
「お握り買わせて」
「お昼ご飯に」
「そうして」
「さもないと」
稲穂の家にお握りを売ってもらわないと、というのだ。
「食堂今日しまってるし」
「購買部のパンなんてすぐに売り切れるし」
「若しお握りないと私達お昼抜きなの」
「だから助けて」
「お店のお握り追加して」
「お金は払うから」
友人達は必死に頼む、だが。
稲穂は友人達の話をここまで聞いてだった、落ち着いた声でこう言った。
「二限目で食べたのですから」
「だから育ち盛りだから」
「私達もわかってるけれどね」
「ついついお腹が空いてなの」
「それで食べちゃったから」
「ご飯が美味しくて」
「お米ですわね。お米が悪いのですわね」
稲穂は友人達の話を聞いてこうも言った。
「あまりにも美味しくて、そうお米はあまりにも美味しいですわ」
「そうよね」
「お米って本当に美味しいわよね」
「はい、そのお米の誘惑に負けることは仕方ないことで」
それにと言うのだった。
「そして日本人の主食といえば」
「お米よね」
「何といっても」
「パンも食べるけれど」
「やっぱり主食っていったらね」
「日本人はお米ですわ、そしてお米を食べることは」
稲穂はさらに話した。
「とてもいいことですわ、そしてお昼は絶対に食べない
「駄目よね」
「お昼ご飯は」
「それは」
「お昼は食べるもの、では」
携帯を出した、それは学校の自分の家が出しているお握り屋売店のそれだった。新潟駅の前以外にも新潟の主要な駅や国道、学校に店を出している。合わせて二十点程ありその売り上げも結構なものなのだ。
その店に追加を頼んだ、クラスメイトが買うと告げて。稲穂はその連絡が終わってから友人達にあらためて
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