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レーヴァティン
第百二十五話 姫路入りその七

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 英雄は姫路城に十二万の兵を置きその数を西の方にあえて喧伝しつつまずは備前の国人達に使者を送った。すると。
 国人達はその兵の数と降った際の命と土地それに立場を保証するという言葉を受けてこぞって降りだした、そうして一月もするとだった。
 備前の国人達はほぼ全てが降りこの国は英雄達の領土と言って差し支えのないものになっていた。そして。 
 さらにだった、備中や美作、備後もだった。
 使者を送ると中には自分達から降る国人達もいた。そうしてだった。
 周防と長門の状況も伝わったがこの二国もだった。
「ほぼか」
「そうだ、わし自身が言うが」
 幸正自身が姫路城まで来て英雄に話した。
「もうほぼだ」
「俺達の手に落ちたか」
「そうなった、ただこちらはな」
「降らない国人もか」
「いたからな」
 それでというのだ。
「兵を向けてな」
「降していたか」
「そうもしてきた」
「やはり送った兵が少ないとか」
「敵も侮ってだ」
 そうしてというのだ。
「降る者が少ない」
「勢力全体の兵の数を聞いてもだな」
「手元にある兵が少ないとな」
 どうしてもというのだ。
「その場合はだ」
「降る相手も少ないな」
「人は目の前のものを見る」
 幸正はこの事実を指摘した。
「だからな」
「送った兵が少ないとだな」
「降る者も少なくなる」
「そうなるか、だからか」
「周防と長門の掌握は時間がかかり」
 そうしてというのだ。
「戦もな」
「多くなったか」
「やはり大軍はな」
「それだけでだな」
「かなりの力だ」
「それでだな」
「二国の掌握は時間がかかった、だが」
 それでもとだ、幸正は言うのだった。
「ほぼだ」
「出来たか」
「九州の方も今は静かだ」
「動く気配はないか」
「ない、どうも自分達の政とな」
 それにとだ、幸正は英雄にさらに話した。
「琉球の方を攻める為にな」
「こちらには向いていないか」
「その様だ」
「琉球か」
「この世界のあちらは国ではない」
 幸正は英雄にこのことも話した。
「領主が治めていてもな」
「一つの国でないか」
「そうした状況だ」
「そうか、そしてその琉球にか」
「九州は攻めようと考えていてな」
 それでというのだ。
「今はこちらを見ていない」
「攻めようとしていないか」
「守りは固めているが」
 それでもというのだ。
「こちらに仕掛ける気配はない」
「それは都合がいいな」
「わし等にとってはな」
「そうだ、だが奴等は琉球を掌握するとだ」
 その時はとだ、英雄は述べた。
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